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クラレ 繊維カンパニー/5カ年計画にらみ修復急ぐ/メルトブロー、「ベクトラン」で拡大戦略

2020年10月13日(Tue曜日) 午後1時5分

 クラレの繊維カンパニーは2022年から100周年を迎える26年をゴールとする中期5カ年計画をスタートさせる。中計を通じ業績を再び成長路線へと回帰させるため、新型コロナウイルス禍で被ったダメージの修復を図るとともに増設を実施あるいは検討するメルトブロー不織布、スーパー繊維「ベクトラン」などで事業拡大に取り組む。

 同社は20年(12月期)で中期3カ年計画の最終年度を迎えており、新型コロナ禍に伴うこの間の苦戦を踏まえ21年を単年度の事業計画で乗り切った後、22年から5カ年計画へと移行する。

 主力の「ビニロン」では、アスベスト代替用途で欧米のハイエンドゾーンを中心に拡販に取り組んできたが、新型コロナ禍の影響で顧客の工場がストップしたため厳しい状況を迎えている。

 先進国の同用途は飽和状態にあると見ており、新興国の中でもインドに注目。既に販売を始めており、今後も販促を強化し拡販を計画する。ビニロン事業は今年で創業70周年を迎えていたが、記念のイベントなどは来年に延期する。

 「ビニロンVIP」は数社からの認証を取れたため、昨年上半期まではフル稼働を続けていたという。ユーザー開拓、商品開発を改めて強化し、5カ年計画のどこかで「革新的なテクノロジーを伴う増産につなげていく」(佐野義正取締役専務執行役員繊維カンパニー長)方針。

 メルトブローでは増設工事に取り組んでおり、専用設備を導入し増設後はマスク向け原反の増産体制を整備する。現在、マスク向けで大量のバックオーダーを抱えているため、11月に新設備を立ち上げて以降、「おそらく数カ月でフル稼働させられる」との手応えを示している。

 年産千トンの設備がフル稼動を続けていたベクトランは新型コロナ禍で多少、減速気味ではあるが、長さベースの販売量は20年も拡大しており、5カ年計画の早い内に「増設を決断したい」とする。

 人工皮革「クラリーノ」では、既にカーシート素材としての品質を確立しており、来年発売の新型車にスエードタイプが搭載されることになっている。

 今後は海外合弁も含めて汎用からハイエンドゾーンをカバーする商品ラインアップを打ち出し拡販を計画。中国合弁のヘーシンクラレで増設を進めており、年産1600万平方㍍を年産2200万平方㍍に引き上げるとともに、「日中両極で生産している強みを発揮させたい」考えだ。