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オンワードホールディングス/EC売上高が百貨店を上回る/郊外にオムニ対応の新店舗も

2020年10月13日(Tue曜日) 午後1時6分

 オンワードホールディングスは9日、2020年3~8月期の業績で、電子商取引(EC)の売上高が百貨店を上回ったと発表した。ECが百貨店販路を初めて逆転した。売上構成比はEC35%、百貨店30%、ショッピングセンター・その他35%だった(1面参照)。

 自社EC比率は91%に達し、グループで運営するECサイト「オンワード・クローゼット」の取引量が拡大している。同社の保元道宣社長は「通期(20年3月~21年2月)の国内EC売上高は500億円規模になる」と自信を見せた。

 EC強化と同時に、前期に国内外の700店舗、今期も700店舗を閉鎖する構造改革を実施。保元社長は「不採算店舗の閉鎖をやり切った」と話し、今期中に米国カジュアルブランド「CKカルバンクライン」から撤退することも明らかにした。

 ECの好調を受け、郊外立地の商業施設などに“オムニチャネル対応複合ストア”を開設する。新型コロナウイルス感染症の影響で都心部の集客が減少しており、郊外立地で顧客接点を増やす。

 同店舗では、服を試着してECに送客するショールーミング機能やEC専用ブランドの訴求、ネットで消費者に直接販売するD2Cブランドを体験させるなど、ブランド横断型の店舗になる予定。来年2月までに数店舗を開設し、来期中には数十店舗に拡大する。

〈純損失151億円/3~8月期〉

 オンワードホールディングスの20年3~8月期連結決算は、売上高805億円(前期比32%減)、営業損失114億円(前期は8億6100万円の赤字)、経常損失114億円(同8億1700万円の赤字)、純損失151億円(同244億円の赤字)となった。

 新型コロナウイルス感染症の影響が大きかった欧州事業を中心に、海外事業の売上高が37%減と苦戦。同社が展開する高級ブランド「ジル・サンダー」も、パリやミラノにある店舗への来客が大幅に減少した。国内事業も集客数と売上高が低迷、顧客が集まる大型催事の中止も響いた。

 その一方、国内のEC売上高は38%増の約197億円と伸長、EC化率は35%に達している。同社の保元道宣社長は「商況のマイナス幅は徐々に縮小し、下半期だけを見みると黒字になる」と話した。

 春夏物の余剰在庫については、過度な値引きをせず下半期以降に正価販売する方針。このため在庫の評価損が膨らみ、3~8月期の営業損失は114億円となった。

 新型コロナ禍の影響で未定としていた通期の業績は、売上高1875億円、営業損失89億4500万円、経常損失84億5千万円、純損失85億6千万円を見込む。