いざ21春夏へ 産地の10~12月を読む(1)

2020年10月19日(Mon曜日)

引き合いは増えてきたが……

 綿白生地を生産する大阪南部産地の織機稼働状況は、各社によって大きなばらつきが見られる。フル稼働に近い織布工場もあれば、週2日稼働のところもある。新型コロナウイルス禍の影響を受けて全体商況が芳しくないのは間違いない。

 ある織布工場では7、8月の生産数量が例年の半分ほどだった。新型コロナ禍による衣料品不振が最大の要因だが、実は「昨年末あたりから消費増税、暖冬、ユニフォーム需要の減退などで商況は悪かった」。そこに新型コロナが発生し、数量半減という事態に陥った。海外市場向けも欧米を中心にストップしている。

 ある織布工場はフル稼働に近い受注を得ている。ただしこれは「非常事態につき、もうけを度外視して注文を取ってくる」という戦略に切り替えたためだ。東南アジアなど海外で安く生産していた案件が、新型コロナ禍の出張規制などを背景に一部国内に戻ってきているようだ。

 10~12月は21春夏向けの生地生産が本格化する時期だが、20春夏の店頭が新型コロナ禍でストップし、流通在庫が滞留しているため、悲観する向きが強い。ただ、一部で「引き合い自体は増えつつある」など7、8月に比べるとやや明るい雰囲気も漂う。本生産につながるかは全く見えないが、「21秋冬向けからの回復に期待」という産地の願いに向かうためにも、少しでも21春夏向けの受注を得ておきたいところだ。

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 21春夏向け生産の本格化を目前に控え、全国のテキスタイル産地の10~12月を占う。