産資・不織布 通信 (50)

2020年10月19日(Mon曜日)

細くて軽いスリング開発を

 大型資材をつり下げて運ぶ産業用ベルトスリングの用途は、建設や運輸、土木など多岐にわたる。繊維スリング工業会の16社に加え、輸入販売のみ手掛ける企業なども複数社存在し、市場規模に対して参入する企業が比較的多いという。

 そうした市場で岡山ペガサス(岡山県倉敷市)は、5%程度のシェアを持つ。強度を保ちながら細くて軽い製品作りなど、新工場への移転を機に差別化を一段と加速させる。

 輸送用のフックなどの金具を製造する大洋製器工業(大阪市西区)の子会社で1985年、設立。倉敷市上の町の工場で30年ほど製造を続けていたが、老朽化や、2棟に分散していたラインの効率化のため今年1月に児島稗田町に新工場を建設。年内には設備の移転を完了させる予定だ。

 スリングはベルトタイプが主流で、素材は超強力ポリエステルなどが用いられる。海外の廉価品も多く競合が厳しいため、同社は撚り糸を束ねて製造する「ラウンドスリング」で付加価値向上に努めている。

 ラウンドスリングは横に配置した二つのローラーで複数の撚り糸を巻き取って製造する。糸がたわんで巻き取りが緩くなり、太く重くなりがちだった。そこで同社は、直径10㍍の観覧車状の巻き取り器を採用してたわみを軽減。細く軽い製品を実現した。

 同製品では、クラレのスーパー繊維「ベクトラン」使いで倍近くの強度を誇る「ヘビーラウンドスリング」も手掛ける。繊維スリング工業会でも半数以下の企業しかベクトランの製品を手掛けておらず、競合が少ないことから差別化を進める。

 ベルトで取得済みのJIS(日本産業規格)をラウンドスリングでも取得し、特にベクトランの製品で拡販を強める。

 近年の年商は3億円。安全への配慮でベルトタイプからの置き換えが進んでいるため、新型コロナウイルスの影響が広がる前は需要が右肩上がりで推移。月間生産量は7千本前後だったが、現在は新型コロナ禍で受注が激減した。

 商況は厳しいが、別注がメインであることから「刺しゅうやカラー展開といったカスタマイズに対応」(矢野幹典工場長)し、売り上げの維持拡大を図る。親会社の金具とのセットをパターンごとに標準化するなど、個別案件にも対応する。

(毎週月曜日に掲載)