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宇仁繊維/大手ブランドに攻勢/商品開発とコスト削減で

2020年10月20日(Tue曜日) 午後1時18分

 生地製造卸の宇仁繊維(大阪市中央区)は今期(2021年8月期)の最優先課題を「赤字からの脱却」(宇仁龍一社長)とし、生産コスト削減、経費節減などに努める。同時に業績拡大策として、大手ブランドとの取引拡大を目指す社内キャンペーンを推進する。

 前期は単体業績が営業赤字となり、グループ各社の多くも赤字を強いられるなど新型コロナウイルス禍による衣料品不振の影響を大きく受けた。今期スタート月の9月の売上高も、前年同月比15%減と市況回復の兆しは見えていない。

 こうした情勢下で今期の最優先課題として取り組むのが黒字への転換。前期はグループ合計の営業損失が1億1400万円、純損失が4200万円だったが、これを黒字浮上させる。宇仁社長によれば、期初に社内各事業部、各部、各課に対してこの方針を徹底。コスト削減に対する意識など改善が見られるという。

 ただ、前期の赤字化や減益の要因は主に減収によるもの。このことから今期も売り上げ拡大に臨む。その一つが「GoTo(ゴートゥー)ブランド36キャンペーン」。昨年も同様のキャンペーンを実施したが、名称と体制を変更して仕切り直す。アパレルを社数ではなくブランド数でカウントし、主要ターゲットの36ブランドを選定した上で、それぞれで売り上げ拡大を狙う。

 前期実績では、1ブランド当たりの売り上げが1億円を超えたのは1件のみ。これを今期中に4件まで増やし、5千万円以上1億円未満を6件から10件に拡大させるなど具体的な目標を掲げている。

 この目標を達成するためにもさらなるコスト削減に努めるとともに、「時代を先取りした商品開発」を染色加工場、織布工場、アパレルと「一体となって」進める。

〈8月期は14・9%減収〉

 宇仁繊維の2020年8月期単体決算は、売上高が63億6300万円(前期比14・9%減)、営業損益が5900万円の赤字(前期は2億7100万円の黒字)、経常利益、純利益はそれぞれ900万円、200万円の黒字を確保したものの前期比では大幅な減益となった。

 上半期は前期比ほぼ横ばいと堅調だったが、下半期は新型コロナウイルス禍の衣料品不振の影響を大きく受けた。落ち込み幅は輸出が最も大きかった。

 グループ業績は、中国向け生地販売などを手掛ける宇仁テキスタイルが、売上高8億800万円(7・5%減)となったものの、営業損益は経費減により赤字幅が縮小。経常損益、純損益はともに黒字転換した。

 小物・雑貨を販売する宇仁繊維ファッション、プリント生地販売の丸増とウインザーも大幅減収や赤字など苦戦。プリーツ加工のオザキプリーツはプリーツブームを捉えてグループで唯一の増収。売上高が3億3700万円(6・0%増)で黒字だった。