ベトナムへの301条適用調査/米繊維業界の意見割れる/為替操作に疑念

2020年10月21日(Wed曜日) 午後1時23分

 米国通商代表部(USTR)がベトナムの為替操作疑惑について通商法301条を発動し調査を始めようとしている。この動きに対して、米国の二つの繊維団体、全米繊維団体協議会(NCTO)と全米アパレル靴協会(AAFA)は、正反対の立場を表明した。

 NCTOのキム・グラス会長は「ベトナムの問題点を徹底的に調べ上げてほしい」と調査を後押ししたのに対し、AAFAのスティーブ・ラーマー会長は「ベトナムは中国代替となる大切なパートナー。調査はやめてほしい」と反対意見を表明した。

〈「アンフェアな貿易慣行はやめて」/NCTO〉

 トランプ大統領の301条適用方針を歓迎する。外国政府が自国通貨の価値を意図的に下げることは、米国製造業に不利益になる。米国からの輸出にインフレ効果を、輸入価格にはデフレ効果をそれぞれ与えるからだ。こうしたアンフェアな貿易慣行は米国製造業と雇用悪化につながり、中南米の貿易相手国も苦しめる。米国テキスタイルの輸出先の多くは中南米だ。

 ベトナム繊維産業は中国繊維と密接に関係している。ベトナムが使うテキスタイルの多くが中国から来る。

〈「ベトナムは大切なパートナー」/AAFA〉

 301条適用は、懲罰的な関税賦課への道を付けるものになる。中国製造代替戦略の相手としてベトナムは重要なパートナーだ。中国代替として信頼できる企業を見つけつつある。懲罰的な関税が導入されると築き上げつつあるベトナムとのサプライチェーンが破壊されてしまう。ベトナムは2016年以降、大きく成長し、米国繊維輸入で第2位になっている。トランプ大統領は懲罰的な関税賦課はやめて、貿易交渉で別のアプローチを取るべきだ。