高級レディース「アイシクル」/無染色ウール打ち出す/エコロジー色をより鮮明に

2020年10月26日(Mon曜日) 午後1時20分

 【上海支局】上海之禾時尚実業〈集団〉が手掛ける高級レディースブランド「アイシクル」は、20秋冬で無染色のウールなどを使った「ナチュラル・ウェイ」シリーズを打ち出している。今後も同シリーズを継続し、エコロジーにこだわるブランドであることをより鮮明にしていく。

 ナチュラル・ウェイは、環境負荷が大きい染色工程を省いた無染色のヤクウール、カシミヤ、ウール素材を使っている。「無染色素材はこれまで長く使ってきたが、今回初めてシリーズ化し、顧客にアピールした」と葉寿増CEOは話す。同シリーズの生地は、イタリア製を始めとした欧州品と、中国品を採用している。

 アイシクルは1997年の設立以来、エコロジーにこだわり、環境に優しい天然素材だけを使っている。中国でもここ数年、サステイナブルが潮流になりつつあることから、改めてシリーズとして無染色素材使いをアピールすることにした。

〈欧州製生地の採用拡大〉

 アイシクルはフランス・パリのデザイン拠点の拡充に取り組んでいる。従来は製品全体の約20%がパリでデザインしたものだったが、この1、2年で40%に増やした。これに伴い、生地の購買もパリに一部移管したことで欧州品の割合が増えている。産地別構成比は現在、イタリア製を始めとした欧州品が3割、日本品が2割、中国品が5割となっている。

 日本品の採用はここ数年、減少傾向にある。イタリア品に押されているほか、日本の染色加工メーカーなどの廃業が影響する。「これまで商社を通じ長年取り組んできた定番品の工場が閉鎖し、生産ができなくなったケースが複数ある」(葉CEO)。

 日本の生地商社の備蓄品の採用も減っている。アイシクルが求める量に、各社がストックする生地の規模では応えられなくなっている。合繊混の備蓄品が増えていることも、天然素材にこだわるアイシクルにとっては使いづらい要因だ。

 一方、昨年から日本の染工場でシルクのプリントの委託加工を始めた。高品質のほか、イタリアに比べ、価格競争力があることを評価している。「日本にはハンドメードなど、職人の技術を生かした生地に期待している」と葉CEOは述べる。