産資・不織布 通信 (53)

2020年11月16日(Mon曜日)

高視認製品の普及目指す   上原商店

 近年、路上や施設内の安全性向上のために再帰反射材や高視認製品の必要性を指摘する声は多い。再帰反射材・高視認製品製造卸の上原商店(大阪市北区)は多彩な再帰反射材と高視認製品をラインアップし、普及に向けた取り組みに力を入れている。

 再帰反射材とは、ガラスビーズなどを繊維やフィルムに付けることで光が当たった際に光源方向に光を反射させる素材。道路標識や自動車・自転車に取り付ける反射板、高速道路や空港内の作業員が着用する安全服など幅広い用途で使用されている。高視認製品は高輝度の蛍光色の生地を使った製品であり、再帰反射材と組み合わせて安全作業服などとして利用されている。

 上原商店は、再帰反射材と高視認製品の専門企業として生地から製品まで幅広い商材を扱う。特に同社の再帰反射材「UEライト」は豊富なラインアップを強みに定番商品として安定した販売が続く。ユニフォーム向けが主力で、物流や運輸業界、ガソリンスタンド、高速道路など幅広い分野の安全服で採用された。パイピング材としての販売も拡大している。

 一方、高視認生地「UEファブリック」も販売し、近年は再帰反射材と組み合わせた安全ベストなど高視認製品の販売を拡大させている。このため現在、同社の売上高の60%は高視認製品が占めるまでになった。上原和也社長は「世界中の優れた技術を活用して商材を提案することが当社の強み」と話す。

 高視認製品は、海外と比べて日本での普及が遅れているといわれる。そうした中、2015年に高視認安全服に関する日本産業規格(JIS)も発行したことで普及への機運が高まった。「東京五輪・パラリンピックもきっかけにして、日本での高視認製品の普及に向けたプロモーションを続けてきた」と言う。

 ここに来て徐々に成果も現れ始めた。備蓄販売する高視認ベストは、直近の販売数は新型コロナウイルス禍前の同時期と比較して3倍の規模で推移する。上原社長は「これまで地道に需要創出に取り組んできたことで、徐々にだが市場が拡大している」と手応えを示す。

 こうした流れを生かすために、商品ラインアップも拡充。新たにポケット付きタイプを企画し、21年1月から販売を開始する。プロスポーツの応援グッズとなる高視認製品の企画を進めており、産業用途だけでなく一般用途でも高視認製品の認知度向上にも取り組む。海外では安全性向上のために、ウエアから資材まで幅広い用途で再帰反射材や高視認素材・製品が使用されている。日本でも路上や施設内の安全性を高めるために引き続き普及促進と需要創出に取り組む。

(毎週月曜日に掲載)