ベトナム縫製業界/国産布生地の不足がFTA障害に

2020年11月17日(Tue曜日) 午後1時32分

 ベトナムの縫製業界は、自由貿易協定(FTA)を有効活用できていないようだ。国産布生地が不足しているためで、政府や業界団体は布地生産の強化を呼び掛ける。国営「ベトナム通信(VNA)」が伝えた。

 ベトナムの繊維・縫製産業の年間輸出額は約400億ドルある一方、原材料の国内調達率は40~45%にとどまる。布生地も年間100億㍍必要だが、国内生産は23億㍍ほどでしかない。70億㍍以上の布地は中国、台湾、韓国からの輸入で、2019年の輸入額は130億ドルに上った。国内産の布生地は、低・中品質の衣料品向けが中心で、輸出向けに適していない。

 国産布生地の不足は、ベトナムと欧州連合(EU)の自由貿易協定(EVFTA)の活用でも障害となる。同協定の原産地規則では、ベトナム産と表記するためには、布生地から国産であることが求められる。EUとFTAを結んでいる韓国産の布生地であれば、国産と同等の扱いが可能になるものの、原産地確認の仕様設定が求められる。韓国産の布生地は輸入量の15・2%程度しかない。

 ベトナム縫製協会(VITAS)の試算では、国内でさらに80億㍍の布生地を生産するためには、約300億ドルの投資が必要になるとしている。

[NNA]