コロナ後の進路 日系商社に聞く(2)/日鉄物産 執行役員・中国副総代表 兼 日鉄物産〈中国〉副董事長 吉村 実 氏/内販OEMの“機能”確立へ

2020年11月18日(Wed曜日) 午後1時28分

 日鉄物産〈中国〉はここ数年、中国内販向け製品OEMのODM化と、日本の顧客との直貿の拡大に力を入れている。双方とも新型コロナウイルス禍の影響を受けるが、内販向けOEM/ODMは持ち直しつつある。吉村実・副董事長に、事業の現状とアフターコロナの計画を聞いた。

(上海支局)

  ――中国アパレル市場の現状は

 アパレル市場は新型コロナ禍の影響から回復しつつある。ただ、業態によって回復度合いは異なる。ネット通販ブランドの伸びは著しいが、百貨店を主要販路とする大手ブランドは良くない。

  ――ネット通販顧客の開拓は。

 ネット系は小規模事業者が多く、与信判断が難しい。そのため、なかなか進んでいない。

  ――分野別では、スポーツブランドの好調が目立つ。

 当社の客先では、高級レディースが回復する一方、カジュアルが夏から生産調整に入っており、芳しくない。

  ――ここ数年、内販向けOEMのODM化と、日本の顧客との直貿の拡大に取り組んできた。

 ODM化は徐々に進んでいる。新規で取り組むカジュアルブランド複数社とは、ODMに近い形でやっている。

  ――日本の顧客との直貿は

 こちらも少しずつではあるが増やしている。日本のアパレルブランドは直貿を重視しているため、ここは引き続き注力していく。

 日本市場向けのビジネスは、新型コロナ禍で足元は苦戦しているが、直貿や東南アジアへの素材輸出のニーズは根強い。東南アジアへの出張が難しくなる中、相対的にコントロールがしやすい中国縫製が見直される動きもある。日本向けは、今後もしっかりやっていく。

  ――内販向けOEM/ODMを今度どう拡大するのか。

 内販はこの2、3年安定している。コロナ禍の打撃はあるが、今年も横ばいか微減で着地しそうだ。これは人材を強化し、ナショナルスタッフの数字への執着が強まってきた成果と言える。

 ただ、内販をブレークスルーさせるには顧客に認められる機能を確立する必要がある。これができれば、内販拡大の妨げである与信管理の問題もクリアーできる。機能の確立を急ぎたい。