コロナ後の進路 日系商社に聞く(4)

2020年11月20日(Fri曜日)

豊島国際〈上海〉 総経理 濱野 貴志 氏

日本品と中国品で内販拡大

 豊島国際〈上海〉は、日本品と中国品の両輪で生地の中国内販と、内販向け製品OEMの拡大を目指す。短納期ニーズの高まりに対応する素材開発にも取り組む。濱野貴志総経理にアパレル市場の現状や、内販の計画を聞いた。(上海支局)

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  ――生地内販と、内販向け製品OEMの現状は。

 経済活動が再開した5月以降、回復している。1~7月売上高は、前年同期を上回った。もっとも、内販の規模はまだまだ小さいため、頑張ればすぐに前年を超えることができる。

 市況感は良くない。展示会出展などを通じた新規顧客の開拓が進み、取引件数は増えているが、1社当たりのオーダー数は減っている。顧客のネットシフトも背景にありそうだ。

  ――どんな顧客を狙っているのか。

 当社はバイオーダー品が中心のため、備蓄品を求める小口顧客は難しい。一方、大手は値段に厳しくなっている。日本品であればこれまで通じた1㍍150元、160元が通らない。そのため、中堅以下でこれから伸びそうなところを開拓している。

  ――生地内販で取り扱う素材は。

 日本品は尾州や浜松産地で生産するバイオーダー品と、中国に拠点を持たない日本の生地商社の備蓄品、中国品は現地の協力工場で生産するバイオーダー品などを扱っている。

  ――ネットシフトで短納期ニーズが高まっている。

 そのため、中国で生産し、備蓄もする布帛調高伸縮丸編み素材「ワンダーシェイプ」と、ミリタリーやワーキングテイストの織物「グランテックス」を打ち出している。新たな素材の現地開発にも取り組んでいる。

 日本品は、リードタイムの縮小とコストダウンが課題だ。

  ――内販向け製品OEMは。

 生地一貫で手掛けている。生地から製品まで提供することで、生地をコピーされるリスクを低減できる。中堅の高級レディースとの日本品を使った取り組みなど、成功事例が生まれつつある。

  ――内販を今後どのように広げていくのか。

 日本品と中国品の両輪で攻めていく。内販拡大の成否の鍵を握るのが、営業スタッフのレベルアップだ。そのため、教育にこれからも力を入れていく。