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アパレル総合21春夏~コロナ下のファッション~(3)/メンズ編

2020年11月25日(Wed曜日) 午後4時2分

〈オンワード樫山「ジョセフ アブード」/イエナカで新ライン提案〉

 オンワード樫山の紳士服「ジョセフ アブード」は21春夏から新ライン「ジョセフ アブード スペース」を展開する。ネット通販のほか、期間限定店で販売する。

 同ブランドは数シーズン、家の中にアブードの世界観を表現しようとラグやインテリア商品を期間限定店で展開してきた。今回、リラクシングウエアもそろえて新ラインとして本格販売する。商品構成はウエアと雑貨が半々。新型コロナウイルス禍により在宅勤務が定着しており、「“イエナカウエア”需要が拡大している」ことも背景にある。

 オーガニックコットンと麻とのポロシャツ、ジャカード柄のシャツなどを糸からオリジナルで開発し、オーバーサイズで企画した。アブードらしいナチュラルカラーを施す。価格はアブードの7~8掛けの価格帯にした。

 アウトドアラインの「ジョセフ アブード マウンテン」は10月末に西武池袋本店に1号店を出店し、洋品の商品構成を高める。素材に強みがあるラインだが、サステイナブル色をより強める。撥水(はっすい)加工では非フッ素系の撥水剤を使用し、「ジョーガード」とネーミングして打ち出す。

 ジョセフ アブードも、リモートワークに対応して21春夏は洋品や羽織り物の比率を高めた。オーガニックコットン「ジョーコットン」のほか、アウターには麻調合繊を使用。色数を増やした。店舗面積は拡大。

〈三陽商会「ポール・スチュアート」/在宅勤務も念頭に〉

 三陽商会が展開する紳士服「ポール・スチュアート」は、スーツに代わるビジネス品番を強化する。21春夏シーズンは、米国ミッドセンチュリー時代(1940~60年代)のリゾートスタイルや70年代の開放的な雰囲気を表現。通気性に優れたライトジャケット、ウエスト部分の締めつけストレスを軽減したアジャスター付きパンツなどが代表的なアイテムになる。

 同ブランドの10月度商況は、同社が設定した計画比を上回り、特に郊外型の百貨店で回復基調となっている。その一方、通勤用やビジネス需要を見込んだスーツやジャケットの動きが鈍いことから、コンテンポラリーなセットアップ、カラーニットといったリラックス感のある商品を投入。

 同社では「在宅勤務が定着したことで、軽いアウターやインナーウエアが求められる」と分析している。ターゲットとする顧客は上質な生地使いや上品なスタイリングを求めており「ポール・スチュアートが打ち出す(スーツに代わる)ビジネス提案を周知させたい」としている。

 軽量なサマーラッセル素材のセットアップやリネンTシャツ、リバティプリントのミリタリージャケットはクラシックなイメージで、フォルムやスタイリングで現代的に仕上げた。価格はジャケット5万4千~11万円、ニット1万3200~3万9600円など前年並み。

〈オッジ・インターナショナル「ダーバン」/スマートワークを強化〉

 オッジ・インターナショナルの紳士服「ダーバン」は、「タイドアップウエアを進化させつつ、アンタイドウエアへの期待も高く、強化していく」考えだ。21春夏ではレイン、スマートワークウエア、テレワークの3企画を提案する。

 アンタイドは赤いネームの下げ札を使用。「働く大人のための上品で快適なスマートワークウエア」と位置付ける。レイン企画ではTシャツにブルゾン、ジャケT(後ろの首部分をハイネック調にしてジャケットの襟汚れを軽減)などを展開。ストレッチ性や撥水(はっすい)機能などを施す。黒いネームのタイドアップはウール100%で撥水、ストレッチ、防シワ機能を持たせながらエレガントなウエアにした。

 スマートワークウエアのアンタイドは、自転車通勤をイメージしたブルゾンやパーカにカーゴパンツといったセットアップのほか、ウールのブルゾンにショートパンツの組み合わせも紹介する。

 テレワーク対応では、カットカーディガンジャケット(カットソー工場で作るジャケット)、シャツタイプのジャケット、ジャージーのパンツなどをアンタイドで投入する。

 ビジネス向けのアンタイドではスーツやジャケットのパターンオーダーを、再生した宮崎ファクトリー(旧ダーバン宮崎ソーイング)で継続生産していく。

〈ジョイックスコーポレーション「ランバン・オン・ブルー」/カジュアル品番で成果〉

 ジョイックスコーポレーションは、紳士服「ランバン・オン・ブルー」でカジュアル品番を強化している。21春夏シーズンにおいてもスポーティーな仕様やプリントアイテムを差し込み、新鮮な売り場を構成。新規顧客の開拓を進める。

 同ブランドは、19春夏からスポーツミックスを主体にしたカジュアルウエアを投入。30代後半~40代男性の購買マインドを意識したスタイリングを展開している。代表的なところではブルゾンや軽快なショーツを打ち出し、同社では「新しい企画で成果が出ている。今後も上質なカジュアルウエアを提案したい」としている。

 スポーツミックスのテーマを継続することで、カジュアルウエアを求める消費者への浸透も進んだ。ランバンが得意とするテーラードジャケットやビジネススーツの品番に加え、先シーズンはトラックジャケットや切り替え変化を施したブルゾンなどが売れ筋となっている。

 カラーリングや柄の選定は落ち着いたもので、若年層向けの紳士ブランドと差別化した。光沢感のある上質な生地を採用している点も特徴になっている。新鮮なパターンやコラボレーション商品で新規顧客を呼び込み、ランバンの特徴である都会的なフレンチシックを訴求。一部ではロゴを使った商品もある。

〈フレックスジャパン/働き方の変化見据え〉

 フレックスジャパン(長野県千曲市)は、“ニューワーキングスタイル”の提案を継続強化している。これまではセットアップスーツに合わせるシャツなどを打ち出してきたが、テレワークや在宅勤務時に着用する商品の充実も図った。これらは21秋冬の企画にもつなげる。

 以前からクールビズの定着によるビジネス服のカジュアル化に対応するアイテムを企画してきた。新型コロナウイルス禍で働き方が大きく変わり、着こなしも加速度的に変化していくとみる。その中で新展開するのが、自宅での仕事時に着用するホームビズスタイルだ。

 身生地に楊柳やガーゼを使ったTシャツなどを取りそろえるが、織物を使うことでシャツメーカーならではのアイテムに仕上げた。ニットカーディガンやノーカラージャケットなどのコーディネート商品も作った。セットアップスーツに合わせる商品ではバンドカラーシャツなどを充実させた。

 密回避の観点から自転車通勤が増え、専用のシャツも商品化した。

 21秋冬に向けてもニューワーキングスタイルを訴求。同シーズンではカフェやコワーキングスペースで仕事をする時、在宅で勤務する時など、多様なシーンに応じたスタイリングを訴求する。バンドカラーのニーズは増加しているとし、ラインアップを充実する。

〈山喜/展開領域拡大に活路〉

 山喜は、21春夏の紳士ビジネスシャツの展開で定番となっている機能を訴求するほか、専門店販路の開拓を進める。ただテレワークの定着などで市場は縮小傾向にあり、婦人分野の深耕にも力を入れる。婦人は売り上げに占める比率は大きくないが、展開領域の拡大に活路を求める。

 仕事着のカジュアル化に加えて、新型コロナウイルス禍に伴う在宅勤務の浸透によって紳士ビジネスシャツの需要は縮小基調にある。こうした変化に対応し、カジュアルシャツや在宅勤務・テレワーク中に着用する商品を打ち出しているが、婦人分野強化で全体の底上げにつなげる。

 紳士ビジネスシャツは抗ウイルス加工「バリエックス」と制菌加工を組み合わせたシャツのゼロプラスチック化(副資材で)などを進める。テレワーク・在宅勤務に応じる“ホームビズ”スタイルの提案、仕事着のカジュアル化に対応するビズポロなどを主軸に軸に据えている。

 婦人は郊外店(紳士服量販チェーン)のフレッシャーズやリクルート向けが中心で、まだ数億円の規模にとどまっており、キャリアゾーンの開拓や通年アイテムの拡充が大きな課題になっている。「既存販路の強化に加えて、専門店などとの取り組みも不可欠」として積極進出する。商品は機能の付与がポイントになるとしている。

〈太陽繊維/さまざまな施策で前向きに〉

 新型コロナウイルス禍による店舗休業や営業時間短縮は、衣料品市場に負の影響を与え、ドレスシャツ分野も厳しさから逃れられなかった。そこに在宅勤務の定着が重なり、先行きは厳しい。シャツ地専門商社の太陽繊維(大阪市中央区)はそのような状況下でもさまざまな施策に取り組むなど、前向きに進む。

 春夏向けでは吸水速乾などに優れたポリエステル「クールマックス」を主力と位置付けて展開してきた。消費者の素材認知度も高く、安定した需要が見込めることから継続的に提案強化を図っている。ほとんどがペットボトルなどの再生資源から成る環境対応型の「クールマックスエコメイド」もそろえる。

 エジプト超長綿使いの高感性生地も打ち出している。ギザ綿を使用した生地は、経糸に70番双糸、緯糸に70番単糸を使うほか、打ち込み本数にも変化を持たせることで、プリントのような鮮明なストライプ柄が表現可能。形態安定とは違う意味で着崩れしにくいという。

 そのほか、顧客の要望に応えられるようニットの打ち出しを模索しているほか、海外生地のデリバリーにも対応する。メインビジネスにはならないが、B2Cの生地販売もネットで行っている。

〈青山商事/シャツでオーダーメード〉

 青山商事は、オーダースーツ「クオリティオーダー・シタテ」にビジネスシャツのオーダーメードサービスを導入した。約100種類の生地をそろえ、プロのスタッフが採寸を行う。納期は最短14日間(時期によって変動)で、1枚5900円からという“手ごろ感”も訴求ポイントだ。

 2019年10月に立ち上がったクオリティオーダー・シタテは、既製のスーツと変わらない価格帯やいつも利用している店で気軽に注文できることなどが好評を博してきた。スーツとビジネスシャツのセット購入の要望が増えていたことから、オーダーシャツの取り扱いを決めた。

 ベーシックとスリムの2種類からスタイルが選べ、それぞれに21種類(合計42種類)のサイズ見本を用意した。首回りは30センチから60センチまで対応が可能。オプションも豊富で襟型、ボタン色、ネーム刺しゅうなどをそろえている。5900円と7900円。

 「洋服の青山」と「ザ・スーツカンパニー」で展開しているが、2回目以降から来店しなくてもスマートフォンやパソコンを使って注文ができる「ネット受注サービス」も取り入れた。ウェブサイト上で注文と会計を行う流れになる。