メーカー別 繊維ニュース

特集 清潔・衛生と繊維製品(2)/機能を支えるメーカーと検査機関

2020年11月26日(Thu曜日) 午後1時23分

〈機能と持続可能性を両立/抗ウイルス機能レーヨンも提案/ダイワボウレーヨン〉

 ダイワボウレーヨンは、天然原料に由来するレーヨン短繊維が持つ生分解性などを生かし、“レーヨン=サステイナブル素材”という認識をサプライチェーンから消費者にまで浸透させることを目指す。そこに練り込み技術で清潔・衛生に焦点を当てた機能を原料段階から付与するメリットを打ち出す。

 新型コロナウイルス禍を背景に注目なのが抗ウイルス機能レーヨン「パラモスプラス」。カルボキシル基練り込みのpHコントロール機能レーヨン「パラモス」に抗ウイルス加工を施したもの。抗菌防臭機能も併せ持つ。

 そのほかにも抗菌機能レーヨン「バクトフリー」、部屋干し臭の原因であるモラクセラ菌の増殖も抑える制菌機能レーヨン「ビスクリーン」など多彩な機能レーヨンをそろえる。SEKマークの新設でニーズの高まりが期待できる紫外線遮蔽(しゃへい)機能レーヨン「スキュータム」も用意する。

 わた自体が機能を持つため不織布原綿としての有効性を打ち出す。紡績すれば後加工などせずに機能糸となる。このため先染め織・編み物や靴下などに活用することか可能となる。このためアパレル用途でも提案に力を入れる。

〈原綿改質でも高白度実現/複合機能加工にも強み発揮/フジボウテキスタイル〉

 富士紡ホールディングスの紡績・染色加工事業会社であるフジボウテキスタイルは、染色加工の和歌山工場(和歌山市)の技術で原綿改質でも高白度を実現した消臭加工「デオミスト」を打ち出す。

 デオミストは綿を原綿改質することで機能を付与した消臭機能加工。原綿改質した生地への晒加工は白度を上げにくく、白度を優先した加工では機能が低下するケースも多い。これに対して和歌山工場は高い機能性を維持しながらも高白度を実現した。

 同社は異なる機能加工を併用する技術力が強み。その一つである綿への抗菌防臭・消臭・吸水速乾複合加工「デオスカイ」も引き合いが増えている。一般的に綿に吸水速乾加工と抗菌防臭加工を同時に付与するのは加工剤の相性などの点から極めて難度が高い。この課題も和歌山工場のノウハウで解決している。

 こうした技術やノウハウを生かし、複数の加工や風合い加工を組み合わせたマルチ機能加工を強みとして打ち出す。

〈コタニ化学工業/安心安全な原料で/衛生加工剤を開発〉

 繊維加工薬剤製造のコタニ化学工業(堺市)は安心・安全な原料で開発した抗ウイルスや抗アレルゲン、抗菌消臭などの衛生加工剤を展開する。

 抗ウイルス加工剤「クインライトVR」は、食品機械の洗浄などにも使われる安全性の高い原料を使用。ウイルスのエンベロープの有無に関わらず効果を発揮する。抗菌防臭・防カビ機能もある。洗濯耐久性も高く、洗濯10回後の試験でも、十分な効果が確認できた。

 アレル物質低減剤「クインライトALG」は天然の鉱物誘導体と植物抽出エキスを配合し、安全性も高い。花粉やダニ、ペット類に由来するアレル物質と接触し吸着することによりアレル物質を低減する。

 「クインライトBMB」は竹エキスを使った抗菌消臭剤。大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌などに有効。アンモニア、トリメチルアミン、硫化水素などに対する消臭効果も期待できるという。抗菌防臭加工剤「クインライトRL―N」は細菌、カビ、酵母菌などに幅広く有効。汗臭、わきがにも効果を発揮する。

 防ダニ加工剤「クインライトDK―10」は糞や死骸がアレル物質となるチリダニ類に対して優れた忌避効果を発揮する。

〈カケンテストセンター/ラボ間連携で多彩な試験〉

 カケンテストセンターは大阪事業所(大阪市西区)の生物ラボ、繊維ラボのほか、環境化学分析ラボ(神戸市)で清潔や衛生に関連する機能性試験を実施している。

 生物ラボは抗ウイルス、抗菌、抗カビ、防ダニ、防蚊などの試験を担う。新型コロナウイルス禍を背景に抗ウイルス性や抗菌性試験の依頼が増加している。カケンが開発した試験方法が日本産業規格(JIS)にも採用された防蚊性試験も依頼が来始めた。このため抗ウイルス性や抗菌試験の処理能力強化に努める。

 初めてカケンに依頼したクライアントも多いため、今後も継続的に依頼を獲得するために試験に関する相談や試験方法のアレンジなどにも対応する。防汚性試験などを担う繊維ラボとも連携し、ラボ間の協力体制を強化することでワンストップのサービス体制を目指す。

 一方、環境化学分析ラボは1月に消臭性試験を含めて化学分析関連の試験業務と専用設備を集約して体制を強化した。増床によって消臭試験の能力も拡大している。近年、清潔衛生関連の試験依頼が増加するのに合わせて消臭性試験の依頼も増加傾向にあることから、こうした依頼への対応力を高めることに取り組む。規格に基づく試験のほか、個別臭気に対するテストも実施するなど試験内容の高度化にも取り組む。

〈QTEC/抗新型コロナ試験を実施〉

 日本繊維製品品質試験センター(QTEC)は、新型コロナウイルス禍の中で開かれた「新型コロナウイルスに対する代替消毒方法の有効性評価に関する検討委員会」に、オブザーバーとして参加した。検証試験では国立感染症研究所、北里大学などともに協力していた。

 こうした実績からJIS L 1922(繊維製品の抗ウイルス性試験方法)の新型コロナウイルスを用いた試験も同センターで実施する。抗菌、抗カビ、消臭性などの試験業務にも対応している。

 プラスチックなどの抗菌製品技術協議会が「抗ウイルス加工SIAAマーク」認証を行うが、同センターは指定検査機関として試験を行う。繊維から非繊維までワンストップで対応でき、企業の研究開発なども支援している。

 抗ウイルス性試験に関しては、同センターは需要増を受けて、ラボを拡張、機械や人員も増やした。医療用ガウンが注目される中で、米国の医療用ガウンの基準AAMIPB70をベースにした相談や試験にも応じている。