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オンワードパーソナルスタイル「カシヤマ」/中国の潜在需要にリーチ/国内では若年層へ先鞭

2020年12月03日(Thu曜日) 午後1時4分

 オーダーメードブランド「カシヤマ」を展開するオンワードパーソナルスタイル(東京都港区)は、今年8月に開設した中国・上海店や11月にオープンした新宿東口店(同新宿区)が堅調に推移している。新型コロナウイルス禍の影響を受けながらも、オーダーメードの潜在的な需要を取り込んだ。日本国内では20~30代男女の利用比率が高まり、同社の関口猛社長は「スーツ以外でもオーダー可能な商品を増やす」と話した。

 上海店は、高級ブランドが立ち並ぶ淮海中路エリアの商業施設に出店。当初の計画よりもオーダースーツ需要が高く「中国人男性がオーダースーツを求めていることが分かった。利用者の39%がリピーターになっている」とした。

 モバイル向けの動画共有アプリTikTokを活用した1週間納品の工程紹介や、現地のKOL(キーオピニオンリーダー)を起用したプロモーションなども売り上げアップに寄与。今後の出店については「様子見」としたが、日本市場と比較し「10倍程度の需要があるのではないか」と分析している。

 カシヤマの縫製工場がある中国・大連にも3店舗を開設し、アフターコロナの中国マーケットに期待感を示した。海外では米国にも出店し、同国ではクラシックなスーツに加え、シワになりにくい伸縮性のある生地を使った機能スーツが人気になっている。

 日本国内では、計34店舗を出店。常設店のほかにも、阪急うめだ本店(大阪市北区)などにポップアップストアを展開している。日本ではモダンなセットアップが売れ筋に浮上し、さらに就活生を対象にしたキャンペーンが好評。テレワークが常態化し、求められるスーツ、ビジネス着が機能的なセットアップに変わりつつある。

 関口社長は「就活生のファーストスーツをカシヤマで仕立ててほしい。一度体験すると、社会人になってもリピーターになる」と読む。就活生向けのキャンペーンでは2万円でオーダースーツが製作できる。生地やデザインを絞り込み、この価格を実現した。同キャンペーンを継続する考えで、若年層の開拓へ先鞭(せんべん)をつける。

 各店舗でシャツやコート、婦人靴などオーダーできる商品を増やし、新宿東口店では「女性の利用率が35%になっている」とした。大連にある自社グループ工場は年間10万着を生産できる規模で「(工場は)新型コロナ禍の影響は軽微。日本では想定していた40代男女を取り込んだが、さらに若年層の開拓に本腰を入れる」と話す。