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東レ ファイバー・産業資材事業部門/プロジェクトI始動/エアバッグ拠点が内外でフル生産

2020年12月16日(Wed曜日) 午後1時3分

 東レのファイバー・産業資材事業部門は下半期から着手した“プロジェクトI(イノベーション)”を通じ新規サプライチェーン(SC)の掘り起こしを加速する。傘下の長繊維、短繊維、産業資材の3事業部が25のプロジェクトに取り組んでおり、新型コロナウイルス禍で低迷するSCへのてこ入れを強化し新規アイテム・販路を掘り起こす。

 同部門は新型コロナ禍の影響で上半期は衣料繊維、産業資材でともに苦戦を強いられ、中でも衣料用ナイロン、エアバッグ事業が低調だった。

 衣料用ナイロンでは今もレッグ、インナー向けの販売が振るわない一方、自動車業界が8月ごろから復調するに伴い、エアバッグ事業では国内外に展開する全拠点がフル生産に転じたと言う。

 この間、大きく縮小した国内ミル消費を掘り起こすため、下半期からプロジェクトIを立ち上げ、顧客から先の段階で停滞する商流をてこ入れするため、「当社が顧客の商材をかつぎ前へと売っていく」(平井正夫ファイバー・産業資材部門長)ことにした。

 これまでよりもSCの一歩も二歩も前に出ていくことで多くの情報を収集し、開発や販促に反映させることで次の新商品として具体化する好循環の実現を狙う。

 短繊維不織布による衛生資材、ポリエステル長繊維による建築資材、インナー向けのナイロンなどで25案件の具体化を急いでおり、「短繊維不織布の原反、インナー向けナイロンニットの販売にも乗り出していきたい」との意欲を示している。

 この間、多額の設備投資を伴う拡大戦略を強化してきたエアバッグ事業では、縫製にも進出したことで、顧客からはチュニジア以外の他のエリアへも縫製で進出してほしいとの要望が寄せられている。同社は20年度からの中期計画でこの間の設備投資の刈り取りに優先的に取り組むとともに、顧客からの要望に応えるべく、次への布石をどこで講じていくかも検討しエアバッグにおける拡大戦略を続行する。

 年明けから量産を開始した再生ポリエステル「&+(アンドプラス)」が下半期から急回復するに伴い「指名買いや企画が増えている」ため、衣料だけでなく生活資材などへも領域を広げ、早急に市場に浸透させたい考えだ。