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ニイハオ/旭化成国際貿易〈上海〉総経理に就いた友田 敦之 氏/加工場としてもチャンスあり

2020年12月16日(Wed曜日) 午後1時19分

 繊維18年、樹脂17年と、これまでバランスよく経験してきた。旭化成国際貿易〈上海〉は、繊維をメインに樹脂も手掛けるが、「双方に通じる私の視点で、もう一度業容を見直していく」。さらに日本で築いた豊富な人的ネットワークを生かし、「日本本社と迅速にコミュニケーションを図りながら、事業を拡大していきたい」と言う。

 旭化成工業(現旭化成)に入社した1985年、プラザ合意が発表された。急速に円高が進行し、海外から安い繊維製品が大量に流入。入社後担当したアクリル短繊維「カシミロン」の紡績糸の国内営業も、影響を受けた。

 92年からは、中国やインドネシアなどの非日系紡績にカシミロンを販売する。「当時は東南アジアで紡績が成長していた。日本の商社といっしょに開拓した」。タイでは、販売先の有力紡績工場に紡績のノウハウを提供、紡績糸を生産し、それを韓国の毛布メーカーに納めた。「このモデルにより、一定の量を販売できた」。

 2003年、ウレタン樹脂やナイロン66の原料であるアジピン酸などの原料営業に転じ、東南アジアのウレタン樹脂メーカーなどに拡販していく。

 10年に韓国子会社の東西石油化学に副社長として出向。同社はアクリル繊維や自動車などの部品に使われる樹脂の原料で、旭化成の基幹事業であるアクリロニトリルのメーカーだ。駐在期間は2年弱だったが、この間に増設が決まり、そのフォローで忙しく過ごした。

 13年には旭化成商事樹脂事業部長に就任。将来の組織再編に向けた準備や、営業の現場管理に汗を流す。

 今回の辞令は19年末に受けたが、新型コロナウイルス禍の影響で着任は20年8月にずれ込んだ。この4カ月は「毎日慌ただしかった。総経理の仕事は予想以上に大変」と笑う。

 駐在を始めて実感したのが、中国の加工技術の進歩だ。「作っているものが圧倒的に良くなっている。マーケットとしてだけでなく、高級ゾーンの生産拠点としての可能性もまだまだある」。欧米向け素材販売での活用など、新たな構想を描いている。(上海支局)

 ともだ・のぶゆき 1985年関西学院大学経済学部卒、旭化成工業(現旭化成)入社。カシミロンの国内、輸出営業を担当。94年4月カシミロン貿易部課長。2003年旭化成ケミカルズ(現旭化成)ナイロン・ウレタン原料営業部課長、09年同部部長。10年韓国・東西石油化学副社長。12年旭化成ケミカルズ・サウジアラビアプロジェクト・プロジェクト長。13年旭化成商事樹脂事業部長、13年取締役樹脂事業部長、14年取締役常務執行役員。15年旭化成アドバンス理事・樹脂化学品本部第2事業部長などを経て、20年8月から現職。59歳。趣味はゴルフ、スポーツ鑑賞。