メーカー別 繊維ニュース

特集 カーテン(3)/メーカー/厳しさも健闘目立つ

2020年12月21日(Mon曜日) 午後3時49分

〈新商品で既存先の深耕図る/熱伝導性や抗ウイルス訴求/維研〉

 カーテン地製造の維研(愛知県江南市)は新型コロナウイルス禍で受注が落ち込む中で、高い熱伝導性や抗ウイルスの機能がある新商品の開発などを進め既存顧客の深耕を図る。

 今上半期(7~12月)の売上高は新型コロナによる受注減で前期比2桁%の減少だった。前期は消費増税の駆け込み需要があったため落ち込み幅が広がった。新築着工件数の伸び悩みも影響した。

 町田正浩社長は「巣ごもりする人が増えたことでカーテンへの関心が高まっており既製品は堅調に推移しているようだが、オーダーカーテンへの波及効果はまだない」と述べる。

 今後は新規開拓が難しい中で、既存先とのパイプを太くする。銀を練り込んだポリエステル糸を使ったカーテンなどの提案を進める。「SEK」マークの取得も目指す。

 町田社長によると、銀は抗菌・防臭効果に加えて、金属の中でも熱伝導率が高く熱を逃がす力に優れていると言う。高い熱伝導性に着目しカーテンだけでなく、スポーツウエアやインナーといった衣料品や寝装品向けにも広げる考え。

〈今期も設備投資を推進/防炎関連増強し受注拡大/艶栄工業〉

 染色整理加工の艶栄工業(愛知県蒲郡市)は今期(2021年11月期)もカーテン地の加工で積極的な設備投資を進める。防炎加工関連の設備を増強することで受注拡大につなげる。

 今期中に防炎試験機や調液機、コンピューターカラーマッチングシステムを導入し防炎性能や品質の強化を図るほか、人員も増やす。嶋田義男社長は「防炎加工イコール当社と言われるようにしたい」と語る。

 さらに、稼働は来期になるが、独特な膨らみや風合いを付与するSHS加工機も導入する。生産性の向上はもちろんだが、省エネルギー化を進めサステイナブルなモノ作りを進める。

 積極的な設備投資によって生産体制を整え、年間売上高12億円を目標に掲げる。「これまで通りではなく、会社として絶えず変化や進化することで受注の獲得につなげたい」と述べる。

 前期の売上高はカーテン地の受注が落ち込んだものの、自動車向けの合成皮革基布の受注が秋口から回復したことで微減収にとどめることができた。今期売上高は10億8千万円を見込む。

〈無地調カーテンがけん引/寝装品事業とも連携/小森〉

 三河産地の産元、小森(愛知県蒲郡市)のインテリア部はカーテンを主力にテーブルクロス、椅子張り地、防災関連商品に加えて、同社生活資材部(寝装品)とも連携し、インテリア関連のあらゆるニーズに対応する強みを持つ。背景にあるのが三河産地を軸足に各産地の特徴を生かした高感度のモノ作りだ。

 前期(11月期)のインテリア事業は新型コロナウイルス禍の影響を受けたホテル用途のテーブルクロスこそ激減したが、カーテンが下支えし、堅調な売上高を維持した。その用途はホームユース、コントラクト、車両向け。販路先別にきめ細かな対応をする。特に好評だったのがナチュラルな無地調のカーテン。ホームファッションを意識したコーディネートのしやすさや癒し効果も考慮。外観はプレーンであるものの、光沢を持たせたモール糸使いや起毛を施したカーテンなど古くから寝装品やカーテンを得意とする三河産地ならではの差別化したカーテンが功を奏す。

 今期はさらにその特徴を生かし、事業部間の垣根を払い素材からの提案を強めるとともに抗菌、抗ウイルスといったヘルスケアの機能商品にも磨きをかける。

〈国内のモノ作り強み/海外の生産拠点も生かす/サンコロナ小田〉

 サンコロナ小田(大阪市中央区)の2020年7~10月期のカーテン事業の売上高は、前年同期比約10%減だった。

 ブランドメーカーのオーダーカーテン向けが前年を下回る一方、大手家具・インテリア小売り向けがマイナス影響を低減した。

 同社は、国内のほか中国無錫に糸加工工場、上海・無錫・ベトナムにカーテン縫製工場などグローバル生産拠点を持つ。国内では協力工場である撚糸企業、織布工場の技術力を生かした付加価値の高い商材を提案する。ただ協力工場は減少傾向にあり、織布工場は30社、撚糸企業約25社程度となっている。

 ブランドメーカー向けの高い意匠性が求められるジャカードやドビー織物は、ほぼ国内生産だが、織布工場を含めて海外での生産の組み立てが可能になってきている。同社でも海外の生産背景を生かしたモノ作りの提案にも力を入れる。

 さらに仮撚・織物開発センター(石川県小松市)でスピーディーな試作を行う。加えて10人規模の社内デザイナーがおり、市場のウオンツをとらえた企画力に定評がある。

〈抗ウイルス機能訴求/ネット通販などで採用/東レインターナショナル インテリア部〉

 東レインターナショナルのインテリア部は、東レの抗ウイルス機能材を活用したカーテン用生地を提案する。カーテンネット小売りにも採用された。

 SEKマーク認証基準の抗ウイルス機能があり、試験では繊維上の特定のウイルスの数を99・9%減少。洗濯機での丸洗いできるイージーケア性も特徴に挙がる。遮熱効果、UVカット、プライバシーを保護する遮像効果もある。

 同部の21年3月期は、前期比10%増収を見込む。20年4~9月期は前期比10%強の増収。アイテムではカーペット、寝装が共に10%増収だった。カーテンは横ばいだった。10月以降も堅調さを維持する。