両角みのりのイタリアモードの今(30)

2020年12月23日(Wed曜日)

持続可能性はトレンドにあらず

 Varcotex(ヴァルコテックス)は、1982年にイタリア中部に位置するモデナ県カルピ市に設立された、ファッション製品の織りラベル、タグ、印刷ラベル、革ラベルの完全な生産サイクルを備えた欧州唯一の会社だ。現在では中国・トルコにも生産拠点を構え、包括的なブランディング、設計、製造、流通、物流ソリューションまでの一括提供を可能にしている。

 競合他社との違いは、製品設計および開発部門と、48時間以内にラベルとファブリックを供給できる新世代のマシン(製織、印刷、仕上げ)を備えたイタリアの生産拠点にある。環境ニーズに配慮したプロジェクトを進める革新的な企業でもある。

 「ビオラベル」は完全にリサイクル可能な100%天然素材でできていて、手触りが滑らかで低アレルギー性だ。FSC/SFI国際環境認証規格に準拠した持続可能なパルプヤーンを使用して製造しており、技術的にはポリエステル製のラベルと同じ製造プロセスになる。

 二酸化炭素排出量を相殺するための長期的なグリーンプロジェクト、「ヴァルコボスキ」もある。(最初は本社のあるカルピ市の高速道路の隣の1万4千平方㍍の土地に千本の木が植えられた)。

 CEOのパオロ・ムナーリ氏に新型コロナ禍の状況について取材した。

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  ――新型コロナ禍の影響は。

 雇用を減らすことはなく、自社一貫生産により公正で競争力のある価格を提供できる唯一の企業という強みのおかげで、営業部門を逆に強化することができた。

  ――輸出ではどんな影響があったか。

 顧客を訪問することが困難になったが、顧客限定のオンラインカタログのプラットフォームを開発した。

  ――業界でラベリングはどのような役割を果たしており、エンドユーザーとの関係でどのような機能を果たすことが求められているのか。

 美的イメージとマーケティング活動の両方が求められ、関連性が高く不可欠だ。ブランドのアイデンティティーを発信し、美的イメージを反映、付加価値を添えて、魅惑的であり、サービス情報を伝え識別、保護、追跡することだが、何よりも重要なのはそのブランドの物語を語ること。新時代のNFCタグは特に重要だ。

  ――21年の予測は。

 売り上げのわずかな減少は顧客を失ったわけではないため楽観的だ。リサイクル素材やプラスチックの削減を目的とした要望も多く、環境への関心が高まっているため顧客の売り上げが戻れば当社の業績も戻ると考えている。

もろずみ・みのり 15年前にイタリアに渡り、建築デザインとファッションを中心とした企業視察や通訳を務める。2016年からImago Mundi代表。