ごえんぼう

2021年01月08日(Fri曜日)

 岡山県には人名由来の駅として智頭急行の宮本武蔵駅とJR伯備線の方谷駅がある。武蔵は誰もが知る剣豪だが、方谷は幕末に備中松山藩の改革を主導した陽明学者、山田方谷のことで、知名度が少し低いかもしれない▼方谷は財政がひっ迫する藩政に対し「義を明らかにして利を計らず」の考えのもと、大局的な視点に立つ「理財論」で改革に当たる。つまり、義の役割を果たす武士がどう改革するのか明確にしなければ、利を生み出す民の同意や協力を得られないと説いた▼ニューディール政策の先駆けのような公共事業など大胆な政策が功を奏し、藩の税収は2万石弱から実質20万石まで増える。方谷は後に備中聖人と呼ばれる▼新型コロナ禍で二転三転する政府の方針。利権まみれの長老たちが牛耳る政治の世界だけに“利”に捉われた政策になっていないだろうか。“義”を貫く政策こそコロナ後に明るい未来をもたらすはず。