メーカー別 繊維ニュース

クローズアップ/旭化成 ロイカ事業部長 芳賀 伸一郎 氏/NEXT50プロジェクトを始動

2021年01月19日(Tue曜日) 午後1時13分

 旭化成のロイカ事業部がこのほど「NEXT50プロジェクト」をスタートさせた。同社がスパンデックス「ロイカ」の生産に乗り出したのが1971年4月。今年迎えた50周年の節目に、次の50年を見据えた競争力強化に取り組んでいくためのプロジェクトだ。芳賀伸一郎ロイカ事業部長に詳細を聞いた。

  ――プロジェクトを開始した狙いは。

 ちょうど創業50周年を迎えるタイミングで新型コロナウイルス禍に見舞われ、われわれを取り巻く環境は激変しました。世界は変わったと思います。そんな中、次の50年を目指すには、これまでの延長線上ではなく一度、ゼロベースに戻り、ロイカ事業としてどうあるべきかを考え直さなければなりません。そのためのプロジェクトです。

  ――グローバルなスパンデックス市場の最近の状況は。

 市況は昨年の4~6月期が底でした。7~9月期に入り、特に8月以降、急速に回復し、10~12月期は中国を中心にアジアでは玉が足りない状況に陥りました。現在もタイトなまま推移しています。中国では長く供給過多な状態が続いていましたが、当局が環境規制の一環としてスパンデックスメーカーへも指導を強化してきた結果、生産停止が相次ぎ、中にはそのまま廃業に追い込まれた中小メーカーもあったようです。工場が動き出す旧正月(2月12日)休み明けから市況は通常の状態に戻ると見ています。

  ――プロジェクトにおける重点課題は。

 何よりも環境負荷を減らすことが肝要です。これができなければ事業の継続はあり得ません。次に、素材としてのスパンデックスが汎用化しつつある中、生き残っていくためにもっと独自性に磨きをかけること。それと、繊維産業は絶えず動いています。生産地が今後、欧州連合(EU)ではトルコから中近東、アフリカに、アジアでは中国からベトナム、西アジアにシフトしていくでしょう。次の50年を考えた時、どこでどのくらいのスケールでどういう品種を作るのが望ましいのかを精査しなければなりません。

  ――新たな拠点を設立する可能性が高い。

 当社は既に米国から撤退しましたが、いずれは中南米にも工場が必要になる時代が来るのかも知れません。それよりも、可能性が高いのは、タイ工場(タイ旭化成スパンデックス)での増設になると思います。現在、「ロイカ」はタイ、台湾、中国でフル操業を続けています。