明日へ これが我が社の生きる道 染色加工編(98)

2021年01月22日(Fri曜日)

タオル関連で高い対応力 同心染工

 同心染工(愛媛県今治市)は、1946年創業の今治タオル産地の糸染め、生地染めを主力事業とする染色加工場だ。

 81年にタオル製造卸の藤高(同)が資本参加して以降、同社との結び付きを強め、糸染めの能力を強化、染色加工と織布を一貫化することでタオルの高付加価値化に寄与している。

 藤高からの受託が最も多い時期には、全加工量の9割以上を占めていたが、現在は産地内を中心に幅広く加工を請け負っている。

 今治産地のタオルは、先染め糸を用いたジャカード織りによる柄表現で差別化を図っていた時代が長く、同心染工もそれに合わせた設備投資、技術開発を続けてきた。同社の強みはチーズ染色への小ロット対応力の高さにある。

 チーズ染色では数本単位からの対応ができ、多様化が進む市場への対応だけでなく、多くの色を少しずつ使うような多色使いのタオルの高付加価値化に貢献している。

 “今治タオル”ブランドが市場に浸透してからは、後晒しの白いタオルや無地のタオルが人気となり、機能や風合いなどでの高付加価値化も重視されてきた。同社でも後染めや後加工、乾燥工程などでの対応を強化している。

 高付加価値化や生産性の向上につながる設備投資は2020年度中にほぼ完了した。合わせてボイラー、ろ過機、排水設備など付帯設備の強化を継続している。

 異業種との協業で、微生物を利用した排水の脱色、その際に発生するメタンガスをエネルギーとして利用するなど、環境保護に向けた実験的な取り組みも進む。

 藤高の会長でもある藤髙豊文社長(71)は「市場や消費動向が不透明さを増す中で、染色加工場も柔軟性が重要になる」と見通す。「ロットの大小を問わず、短納期対応、高付加価値化ができる体制が整った」と話し、グループの中核としての活用だけでなく、産地内のタオル生産に寄与していく姿勢を強調する。

 現在の従業員は、20代から70代までが在籍し、技術伝承を計画的に進めている。白石邦夫工場長(60)は「平均年齢は46歳で、将来を担う30代前半の人材が育ってきた」と手応えを語る。技術伝承と合わせ、経営に関わる幹部候補の育成も進めている。

(毎週金曜日に掲載)

社名:同心染工株式会社

本社:愛媛県今治市南宝来町2丁目1番7号

代表者:藤髙 豊文

主要設備:高圧チーズ染色機(機種により0.42~60玉に対応)総計25基。液流染色機(12~200㌔に対応)総計5基。糸加工用高圧乾燥機3基。試験機(オーバーマイヤー型、2~10㌔に対応)総計3基。そのほか遠心脱水機、乾燥機、テンターなど。各種ミシン、スリッター、カット機も含めた縫製部門も所有。

従業員数:47人