産地の1~3月は?(6)

2021年01月25日(Mon曜日)

播州   果敢な挑戦で進化を

 先染め織物の播州織産地でも新型コロナウイルス禍による生地需要の減少が鮮明に表れている。産元や染色・加工場に3月までの見通しを聞いたところ「回復は難しい」「昨対3割減が続く」といった見方がほとんどだ。

 播州織工業組合が今月まとめた2020年の生産数量は前年比39・3%減の1336万平方㍍だった。生産量の推移を振り返ると、20年1~4月にかけて昨年同月比で3割減が続いた。異質な減少幅となるのが46・0%減の5月。そこから6月に51・0%減と半減、7月は57・4%減の71万5605平方㍍と過去20年間で最大の減少幅だった。

 元々消費増税や衣料品の低価格志向で、播州織を使う商品の売れ行きが低迷していたところに、新型コロナ禍に伴う4月の緊急事態宣言、アパレルや百貨店舗の閉鎖と続き、異様な生地需要の減少につながったとみられる。

 10月は23・9%減、11月は33・4%減、12月は30・8%減とやや減少幅が縮まったものの、今年1月に再び緊急事態宣言となった。2度目とはいえ、消費の萎縮は避けられないだろう。産地企業へ長期的な見通しを聞くと「不透明」「全く分からない」という回答が多い。「回復してもコロナ禍前の状況にはならない」という見方が大勢を占める。

 21年、希望となるのは果敢な挑戦をする企業が多いことだ。目立つのは最終製品の開発。産元、織布工場、そして染色・整理加工場までもがそれぞれ独自に最終製品を作り、ネット通販で提案を始めている。新型コロナ禍は、手芸、インテリア、寝装など、新たな需要も生んでいる。チャンスはある。産地企業の進化が加速する一年になる。