激変にどう対応する ~アパレルトップインタビュー2021~(8)

2021年01月27日(Wed曜日)

B2Bに加え、B2Cも ナイガイ社長 今泉賢治氏

 ――2020年を振り返ると。

 100周年という節目でもあり、重要な1年間だった。新型コロナウイルス禍が全てではないが、業績が伸び悩んだことも含め、さまざまな転換が求められた。それらの要因の一つが新型コロナだったことは間違いない。生活様式が変わり、われわれも百貨店を中心とするB2B偏重からの脱却が不可欠だ。

  ――転換点を迎え、21年はどのように方針を進める。

 新型コロナ禍が1年程度で完全に収束するとは元々考えていなかったし、一度変化した消費者の価値観や生活様式が元に戻るとも思っていなかった。政府による2度目の緊急事態宣言の発出は頭の中にはなかったが、それを除けば21年の事業環境はおおむね想定の範囲内と言える。

 昨年の緊急事態宣言解除後、既存分野は19年の70、80%の水準で推移した。21年度も大きく変わらないとみており、コスト削減と新規施策による上乗せが鍵になる。主力のB2Bは百貨店や量販店に加え、新販路の開拓に重きを置く。スポーツチェーンやドラッグストア、ホームセンターなどで販路ができてきた。

  ――継続して力を入れてきたB2Cビジネスはどうか。

 スウェーデン発の靴下・アンダーウエアブランド「ハッピーソックス」を中心にさまざまな仕掛けを行っているが、新型コロナ禍の影響を受けた。ただ子会社の靴下やホームウエアの事業を本体に移管するといった施策を進め、事業規模は着実に拡大している。今期(21年1月期)は前期を上回る数字で推移している。

  ――電子商取引(EC)の動きは。

 思ったほど伸びていないのが実情だ。靴下とホームウエアは順調だが、バッグ類の販売が伸び悩み、前年並みにとどまっている。売上高に占めるECの比率は20%に高める方針だが、当社には高齢者らから「パソコンは使えない」という声が日に何十件も入る。電話受注システムやカタログを充実させ、高齢者の利便性を高める。

  ――靴下やストッキングの市場動向は。

 レッグウエアは生活必需品であり、全体としては一定の市場を維持しているが、商品によって違いがある。厳しいのはビジネス服のカジュアル化とテレワークの浸透が重なり、紳士ビジネスソックスとストッキングの需要は落ちていくことはある程度は仕方がないと考えている。

 靴下などの価格はなかなか上昇しないが、価値を認めてもらえる消費者に価値のある商品を提供する。ナイガイの創業者らは「顧客に満足してもらうにはどのようにすれば良いか」を常に考えてきた。新型コロナ禍が続く中、改めて原点回帰を行い、多くの人に満足してもらえるレッグウエアを開発・販売する。

(次回は29日付に掲載)