産資・不織布 通信 (60)

2021年02月08日(Mon曜日)

体力維持へ安定した生産力を    小橋

 撚糸業界では近年、小規模な撚糸業者が廃業するケースが全国の産地で相次いでいる。そうした状況の中で小橋(岡山県倉敷市)は、ダブルツイスター40台など中四国地方でも屈指の設備数を誇り、発注先の確保に悩む織布メーカーなどから引き合いを得てきた。

 同社は1951年の創業で、受託加工100%の撚糸業者。ユニフォームなど衣料向けが売り上げの7割を占め、3割は産業資材向けになる。

 産業資材向けでは綿太番手の数本撚りのほか、産業機械や自動車のベルトの芯に使う糸などの注文を受けている。綿では20番手以下の太番手の依頼が多いため、ダブルツイスター40台のうち10台は一巻きが長いラージパッケージ化に対応。ノットレス(結び目がない)糸の生産など、幅広い案件への対応力を訴求している。

 新型コロナウイルス禍で、昨年10月から年末にかけて全体の受注は前年比で半減した。それでも、いずれ需要環境が回復した時に向けて生産キャパシティーの維持拡大を推進。緊急時の今こそ、企業の体力を維持するために安定した生産力が必要だとみており、小橋俊治常務はそうした「“巡航”生産ができる力を確保しておくべき」と話す。

 それに向けて足元で進めているのは、糸の製品品質の向上。巻糸の異常監視装置「セレナル」と糸長の自動管理装置「セレメジャー」の4セットを1600万円かけて更新している。昨年7月から年末にかけて2セットを入れ替えたが、今年1月に更新を予定していた1セットは、新型コロナ禍の影響で2月中旬に延期。最後の1セットは受注状況を見ながら検討する。

 厳しい環境ながら、ダブルツイスターをはじめとした設備数は維持し、32人の従業員も雇用を継続する。昨年10月から1週間当たりの営業日を月~水曜日の3日とするなど、徹底したコスト削減などで対応。社員のモチベーションの向上を目指し、コミュニケーションも改めて強化している。

 リーマンショックの際も企業努力で乗り越えた経験があり、設備や社内の意識高揚などあらゆる面での見直しを進めながら、需要回復の時に備える。(毎週月曜日に掲載)