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東洋紡 PPS繊維「プロコン」/異形・細繊度に特化/中国OEMの確立急ぐ

2021年02月16日(Tue曜日) 午後1時17分

 東洋紡はPPS(ポリフェニレンサルファイド)繊維事業で、2021年度は中国でのOEM生産の具体化を急ぐとともに、長繊維による商品開発、販路開拓を強化しモーター用結束糸向けの拡販を計画する。

 同社はPPS繊維「プロコン」を中国向けを主力に展開。主に火力発電所で使われるバグフィルター向けに販売してきた。

 しかし、中国勢の価格競争で市況は低迷。そこに新型コロナウイルス禍が発生し、20年度は大苦戦に陥っていた。

 このため、事業構造を改善するため、東洋紡管理上海(TSS)とともに19年10月、原料の調達及び原綿のOEM生産で中国の浙江新和成股フン(NHU)、紹興裕辰新材料(YC)と契約を交わした。

 NHUへの技術指導を通じ繊維グレードの原料を生産する技術を確立。NHUの原料によるプロコンの生産は既に滑り出している。

 一方、新型コロナ禍でYCへの技術者派遣がかなり遅れている。メールやテレビ会議などを通じ先方とのコンタクトを続けており、今後の情勢を注視しながら早急にYCにおける生産技術の確立を目指す。

 今年4月から国内の営業マンを中国に派遣し販売体制を増強。日本には技術要員のみを残すことにした。

 中国市場では中国勢と韓国勢との価格競争でPPS繊維の市況は今も悪化し続けているという。このため、東洋紡は岩国事業所における汎用原綿の生産を停止し、代わりにポリエスエル短繊維の増産で工場稼動をキープ。プロコン短繊維では異形断面タイプや細繊度タイプの生産に特化する。

 一方、プロコン長繊維による新規販路開拓を改めて強化しており、電気自動車などのモーター用結束糸狙いの取り組みに重点化。輸出市場へのアプローチでプロコン長繊維の拡販を目指す。