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特集 小学生服(3)/学生服メーカー/コロナ禍で高まるニーズに対応

2021年02月17日(Wed曜日) 午後2時58分

 有力学生服・素材メーカーは、防汚や洗濯耐久性など小学生服に以前から求められていた機能を強化し、少子化の中でも拡販を目指している。上衣やシャツで進むニット化の流れや、新型コロナウイルス下で高まる抗菌・抗ウイルスのニーズにも対応。市場開拓に向けた取り組みを強めている。

〈トンボ/イージーケア重視の企画を〉

 トンボは2021年入学商戦、小学生服のモデルチェンジ(MC)校数で例年並みの実績を見込む。低学年を中心に学校生活をサポートする機能を盛り込んだ「トンボ」ブランドの企画に定評があり、足元の小学生服の売上高は堅調に推移している。

 木元孝行執行役員スクールMD本部長によると、昨年春の緊急事態宣言で4~6月の買い替え需要が7~10月に移動。10月までの売り上げは前年同期比2割増しのペースで、11月以降も前年の消費増税の反動で増加傾向となった。

 こうした環境だけでなく、「トンボ」ブランドの商品企画も安定した実績を支える。これまで、店頭向け「トンボジョイ」でサイズ調整機能や伸縮性による着心地の良さを訴求。小中一貫校向け「トンボプライマリー」でも同様の機能を提案するとともに、配色によるボタンの掛け違い防止など児童の自立支援仕様に特化した機能性で評価を得てきた。

 21年入学商戦に向けて、上衣ではイージーケア性に重きを置いた開発を強化し、トリコット生地使いの小学生服「アクティブニット」を打ち出す。

 同商品は、詰め襟学生服でも使用しているポリトリメチレン・テレフタレート(PTT)繊維「ソロテックス」を採用。優れたストレッチ性や吸汗速乾性に加え、防シワ性、防汚加工など改めて「保護者の取り扱いが簡単」な商品を目指して開発した。活発な子供が気兼ねなく着用できるように、耐久性も向上させている。

 小学生は中高生に比べ服を汚しやすく、新型コロナウイルス禍もあって防汚加工や抗菌加工などを重要なポイントとして開発。シャツでも「汚れが落ちやすいスクールポロシャツ」を19年に発売しており、同商品の販売は前年比20%増と堅調な実績を確保する。

 同感染症の収束が見えない中、今後も清潔・衛生のニーズの高まりを想定。ポケット袋に抗ウイルス生地を使用した商品や抗ウイルスの表素材も開発し、拡販を目指す。

〈菅公学生服/「カンコータフウオッシュ」強化〉

 菅公学生服の開発本部学生工学研究所の三宅利明部長は、21年入学商戦に向けた小学生服の販売について「新型コロナウイルス下でも前年並みを維持している」と話す。昨年春の緊急事態宣言の反動で、秋口からは需要が戻り「商環境は変わらず安定している」と言う。

 ただ、少子化が加速していることは事実で、今後も販売8年を迎える主力ブランド「カンコータフウオッシュ」など、洗濯耐久性を軸にした商品のアピールを強める。

 同商品は家庭洗濯でピリングやほつれが発生しにくい点が評価される。小学生は衣服を汚しやすく、洗濯に重点を置いた開発が基本になるが、新型コロナの影響で清潔・衛生のニーズが高まる中、「改めて洗濯耐久性やイージーケア性を訴求ポイントにする」考えだ。サイズ調整やストレッチなど機能面の訴求も強める。

 同ブランドで販売するポロシャツも、毛玉の発生やひっかき傷に強く、吸水速乾、防汚といった特長で堅調な引き合いがある。常に新しい技術などの研究には取り組んでおり、「培ってきた技術で付加価値を高める」。

 一方、教育ソリューション事業を手掛ける企業としての取り組みも強化。コンテンツ提供や制服の物性面での調査・研究を踏まえた提案で学校と関係を構築している。

 学生の自立を教育支援の軸とし、非認知能力(数値化が難しいコミュニケーション能力や共感性、忍耐力など)や意欲の向上に向けた活動を強めている。教員や保護者などの評価は着実に高まっている。

 近年は展示会でも教育支援をアピール。昨年11月の初のオンライン展でも、地域と学校の連携を考える地域探求学習の動向を紹介。学生の発表会をライブ配信し、新型コロナ禍で集会が難しい中、つながり、アウトプット、評価の場を提供した。

 今後も「教育ソリューション企業として学生を支援するコンテンツを充実させる」考えで、活動の認知度向上に努める。

〈明石SUC/抗ウイルスを前面に訴求〉

 明石スクールユニフォームカンパニー(明石SUC)は2021年入学商戦に向けて「富士ヨット小学生服」などを中心に拡販しており、小学生服の売り上げが前年同期並みで推移している。

 堅調な販売の要因について、営業本部スクール第一販売部の江藤貴博部長は「昨年春の緊急事態宣言で4、5月は買い替え需要が一時的にストップしたが、反動で秋口から販売が戻っている」と話す。

 これに併せて、メインの「富士ヨット小学生服」はブランド認知度の高さもあり、安定した引き合いがある。ニットの商品も堅調に推移しており、ニットシャツ「ラクポロ」は20年入学商戦に比べ70%増、ニットの給食着は30%増で推移。織物に比べ価格が高いが、ノーアイロンや着心地の良さなど織物にはない付加価値で評価が高まっていると言う。

 21年入学商戦に向けた新企画として、ワンランク上の「THD(テ・アッシュ・デ・ラ・メゾン)」を「リカ富士ヨット」に刷新する。中学生向け「THD」は18年から「リカ富士ヨット」に変更したが、小学生服でも同様に拡販を強化。「富士ヨット」ブランド全体でのアピールを強める。

 抗菌・抗ウイルスなどに効果がある多機能型触媒を使用した「ティオティオプレミアム」加工の商品も前面に打ち出す。今年度は指定のない学校向けに白無地の体育着を投入したが、同加工の機能性がラクポロやニットの給食着など既存商品含めて販売を支える。

 新型コロナウイルス禍で清潔・衛生のニーズが高まる中、「ティオティオの商品で全社的に訴求を強める」考えだ。