中国アパレル業界/“国潮”トレンド、外資撤退/日系は現地企画で勝ち残りへ

2021年02月25日(Thu曜日) 午後1時0分

 “国潮”トレンドの中、中国で新興ブランドが次々に登場している。一方外資は欧米ファストファッションを中心に撤退が続く。日系は現地企画の強化で勝ち残ろうとしている。(岩下祐一)

 中国で“国潮(グオチャオ)”と呼ばれる国産ブランド熱のトレンドが続いている。品質とデザイン性を高めた地場ブランドへの評価が高まっていることや、消費者が自国に自信を深めていることが背景にある。その様子は、「80年代の日本のDCブランドブームを彷彿とさせる」(日本のアパレル関係者)。

 国潮ブランドの筆頭がスポーツブランド大手の「李寧(リーニン)」だ。1984年のロサンゼルス五輪に出場した元体操選手の李寧氏が立ち上げたブランドで、近年ストリートファッション寄りのラインを打ち出し、若者に受け入れられている。「リーニンは中国人にとって初のナショナルブランドになった」と、ある地場ブランドのトップは評価する。

 ダウンウエア最大手の「波司登(ボストン)」も、国潮の代表ブランドだ。2015年から始めたリブランディングが功を奏し、若返りと高級化に成功。従来は地方都市でのシェアが高かったが、海外ブランド好きで目利きが多い上海などの都市部でも、この1、2年ボストンを着る人の姿を頻繁に見掛けるようになった。

 国潮トレンドは広がりを見せ、新興ブランドが次々に登場している。レディースインナーでは「内外」「Ubras」、ホームウエアでは「蕉内(バナナイン」)、高級スポーツウエアでは「パーティクル フィーバー(粒子狂熱)」「マイア アクティブ」など、海外の著名ブランドと比べてもそん色のない、デザインと機能性を追求したニューフェースが売り上げを伸ばす。

 この割を食うのが外資ブランドだ。18年から「フォーエバー21」「トップショップ」「ニュールック」「オールドネイビー」など、欧米ファストファッションが相次いで撤退。今年1月末には、「ザラ」を運営するインディテックスが、「ベルシュカ」など3ブランドの実店舗を閉鎖したもようだ。

 日系ブランドは、盤石なのは「ユニクロ」くらいで、「無印良品」など中国で存在感を示しているブランドも地場ブランドの追い上げにさらされる。

 こうした中、各ブランドが現地企画を強化している。日本などグローバルで展開する商品に現地ニーズに応える商品を加え、地場ブランドに対抗しようとしている。

 「23区」と「ICB」は、20秋冬から現地企画品を投入。「現地企画品のデザイン数は全体の4割だが、売り上げ比率は5割を占める」と上海贏裳恩服飾の徐偉文副総経理は話す。

 「アシックス」は東レグループと協力し、20秋冬から重衣料やランニングウエアの現地開発に乗り出した。先行するランニングシューズの現地企画品で成果を上げている。

 「ミズノ」もライフスタイル商品の現地企画を増やした。これまでは数パーセントの売り上げ構成比だったが、20年は3割弱になった。