小林恵介のベトナム便り (4)

2021年03月16日(Tue曜日)

発展するデジタルエコノミー

国際電気通信連合(ITU)によると、ベトナムの携帯電話普及率は、2019年時点で141.2%となっている。日本は147.0%であり、両国の所得水準の差を考慮するとベトナムの数値は高いと感じるかもしれない。同年における固定電話普及率は、日本が49.5%でベトナムは3.8%。固定電話が普及する前に携帯電話、スマートフォンが普及するという、いわゆる「カエル跳び」の現象が起きているが、これはベトナムに限らず他の途上国でも見られるものだ。

 情報通信分野の状況についてベトナムの特徴を挙げるとすれば、通信コストが低いことが考えられる(図表参照)。実際、筆者が私用のスマートフォンを買いに行った際、携帯電話ショップがお勧めしていた通信プランは、ある通信キャリアのもので初期費用30万¥文字(G3-1000)、月額8万¥文字(G3-1000)で1日3ギガバイト(GB)まで使用できるというものだった。1カ月3GBの間違いではないかと店員に確かめたところ、確かに1日3GBと答えた。

 グーグルなどの調査(20年11月)によると、電子商取引や配車サービスなどデジタルサービスの市場規模についてベトナムは19年の120億㌦から20年には140億㌦に増加した。増加率はベトナムを含めた調査対象6カ国(インドネシア、シンガポール、タイ、フィリピン、マレーシア)の中で最大だった。

 新型コロナウイルス禍にもかかわらず6カ国の中では市場が最も成長したということになる。さらにベトナムの同市場は25年には520億㌦になるとの資産がある。前述のスマートフォンの普及や安価な通信料金に加え、人口規模、スタートアップの興隆などが、こうしたベトナムのデジタルエコノミーの発展を支え、今後も促していくことが期待される。