メーカー別 繊維ニュース

コロナ後見据え成長戦略 メーカー系商社のいま(6)/旭化成アドバンス/衣料は来期に反転攻勢

2021年03月16日(Tue曜日) 午後1時32分

 旭化成アドバンスの繊維本部は来期(2022年3月期)、資材分野のさらなる拡大と海外展開の強化、縫製品展開の拡大などに注力する。不採算ビジネスの縮小や人員配置の見直しなど今期(21年3月期)で反転攻勢の体制を整えたことから、「来期は大きく回復させる」(橋本薫取締役専務執行役員繊維本部長)考えだ。

 今期の繊維事業は、前年比15%の減収となる見通し。資材分野が10%増となる一方、衣料分野が25%減と落ち込んだ。来期は資材で横ばいを確保しながら衣料を回復させ、売り上げを前年比10%増、営業利益を20%増とする計画だ。

 資材は今期、既存ビジネスが横ばいで、マスクや防護服、医療ガウンなどの拡大が上乗せした。来期は新型コロナウイルス禍関連の需要が落ち着く可能性があるが、医療ガウンや不織布マスクは一定の需要を見込み、防護服は新型コロナに加えて鳥インフルエンザ対策の需要も取り込むなどの手を打つ。

 既存ビジネスでは、旭化成との連携でスパンボンドの米国向けを伸ばすとともに、エアバッグ包材などの車両関連、3次元立体編み物「フュージョン」、耐炎繊維「ラスタン」などの独自商材を拡大する。ラスタンは織物に加えてフェルトでの展開も増やす。今期は20%増と好調なジオテキスタイルは生産スペースが上限に近い中、取り組み先を増やしていく。

 海外子会社は4拠点とも拡大を狙う。下半期から急回復している上海はフィルターなどの不織布やフュージョンが好調で、「ベンベルグ」の原料販売も回復している。タイは今期、エアバッグ包材やカーシート関連の撚糸の拡大のほか、医療ガウンの調達でも寄与しており、来期も伸ばす。ベトナムはタンロンでのエアバッグ包材製造に加え、昨年12月からハノイに支店を開設して糸販売や縫製管理などの商事活動も始めた。来期は20%増を狙う。昨年7~9月から本格展開を始めた米国法人も不織布を中心に30%増を計画する。

 衣料分野は下半期(22春夏向け)から大きく回復させる。サステイナブル素材シリーズ「エコセンサー」を国内外で伸ばすなど軸足を置くテキスタイルの開発強化に重点を置く。生地販売は国内向けが厳しいとみる中、縫製までの一貫展開で回復につなげる。縫製地はこれまでミャンマーが多かったが、来期はベトナムの拡大と中国を活用して縫製品展開の拡大を狙う。