メーカー別 繊維ニュース

不織布新書21春(4)

2021年03月18日(Thu曜日) 午後1時28分

〈ダイワボウレーヨン/用途開拓で種まき加速/サステイナビリティー打ち出す〉

 ダイワボウレーヨンは不織布用途をレーヨン短繊維事業の柱の一つと位置付け、用途開拓に向けた種まきを加速させている。特にサステイナビリティーを前面に打ち出し、機能レーヨンの認知度向上と需要掘り起こしに取り組む。

 同社の2020年度(21年3月期)のレーヨン短繊維販売は新型コロナウイルス禍の影響で紡績用が低調だが、不織布用は除菌シートなど衛生用品分野が堅調に推移している。不織布用途のさらなる拡大に向けて得意とする機能レーヨンを前面に打ち出し、衛材やコスメティックなどの用途に向けた提案に取り組む。

 レーヨンのサステイナブルな特性を訴求し、海水中生分解性を確認した「エコロナ」や、合繊代替を狙える撥水(はっすい)レーヨン「エコリペラス」などを提案する。需要が高まる衛生機能素材として抗ウイルス機能レーヨン「パラモスプラス」の高耐久タイプも開発した。

 エコロナで海水中での生分解性を認証する「OK・バイオディグレイタブル・マリーン」を取得したほか、適正管理された森林資源を使用していることを示す「森林認証(FSC)」、染色加工などの安全性に関する国際規格「エコテックス規格100」、米国農務省が再生可能資源から作られた製品を認証する「バイオベース製品認証」、食品接触の安全性認証「ISEGA」を取得している。

〈宇部エクシモ/ユニークな商品で存在感/顧客のモノ作りに貢献〉

 不織布用原綿を販売している宇部エクシモは、ユニークな商品のラインアップで存在感を高めている。芯鞘複合繊維でありながら繊度0・2デシテックスを実現した「エアリモ」、強度や耐薬品性に優れる「シムテックス」などをそろえ、顧客である不織布製造会社のモノ作りに貢献している。

 同社の不織布用原綿は衛生材料と産業資材の両用途に使われている。2020年は新型コロナウイルス禍に見舞われたが、高付加価値品のエアリモがマスク分野で高い評価を集めた。鞘部に低融点樹脂、芯部に高融点樹脂を用いたポリオレフィンコンジュゲートわたで、液体フィルターなどでも用いられてきた。

 繊度が0・2デシテックスと極細のため、エアリモを使うと肌触りの良いエアレイド不織布や湿式不織布を作ることができる。マスクに応用すると装着時のゴワゴワ感の解消につながると言う。同社の顧客がこのユニークな特徴に着目して新たな不織布マスクを商品化した。

 エアリモやシムテックスに限らず、顧客の要望に応じて展開商材の改良・改善を行っている。同時に新素材開発にも取り組む。エアリモ、シムテックスの次は機能性がポイントになるとする。福島県郡山市の先端繊維研究所を基点に、「どのような機能が必要なのか、顧客と話し合いながら開発」を進める。

〈髙木化学研究所/内装材や吸音材向けが主軸/付加価値提案の強化を図る〉

 髙木化学研究所(愛知県岡崎市)は金属加工・樹脂加工に加え再生ポリエステル短繊維の製造販売を行う。短繊維は自動車内装材や吸音材・断熱材向けの供給が主軸となる。今後は用途に適する機能性付与といった付加価値提案の強化を図る。

 同社の再生短繊維・わたは色別生産や機能性付与といった付加価値の高さが特徴。黒が需要の中心だが白やその2色以外にも原着技術を生かす。用途により難燃性や軽量化といった機能性も付与できる。中空タイプも中空率を自在に可変できる。こうした機能付与や付加価値を付けた供給実績を生かし、より高次元のニーズに応える。

 高木紀彰上席顧問工場長は短繊維・わた事業の課題について「輸入わたとの明確な差別化がマスト」だと話す。輸入わたは比較的安価で供給は増加傾向の一途をたどる。さらに「原料価格の高騰で製造原価もかさむ中、明確な差別化と用途に合わせた提案が今後の鍵になる」と説明する。

 主にペットボトルやフィルムくずを原料とする再生ポリエステル短繊維事業は50年近い歴史をかぞえる。売上比率で全体の3割前後を維持し、生産を月産500㌧の能力を持つ片寄工場(同)で行う。大半が不織布向けで原料調達から販売まで国内で独自のルートを敷き小ロットから応える。現在も軽自動車向けや多目的車両(SUV)向けが順調とのことだ。

〈帝人フロンティア/環境関連を軸に成長狙う/機能資材も積極投入〉

 帝人フロンティアの機能資材本部は、環境関連と機能資材の二つを軸に不織布事業の拡大を図っていく。環境関連ではRO膜(逆浸透膜)の販売拡大に取り組むとし、中国市場でのシェア拡大に力を入れる。機能資材では縦型不織布「V―Lap」や高吸水・高吸湿繊維「ベルオアシス」の展開を継続強化する。

 不織布の分野別・用途別の動向を見ると、環境では水処理関連が新型コロナウイルス禍前の水準に戻りつつあるが、バグフィルターは厳しさが続く。自動車関連は回復基調が続き、電機資材は通信関連が堅調。そのほか2020年度は医療用防護具(ガウン)向け不織布が大きく伸長した。

 こうした状況下で21年度は環境分野で成長を狙う。注力するのがRO膜。中国を中心に市場は拡大しているとし、「質の高い水を多く作ることができる」(機能資材本部)という同社RO膜の特性を前面に打ち出して需要を取り込む。バグフィルターはナノファイバーを使って差別化を図る。

 機能資材として拡販を進めるVーLapは、寝具や車両シートが主力になっているが、ウレタン代替として用途を広げる。PTT繊維を使ったタイプなど、バリエーションも豊富にそろえる。ベルオアシスについては産業用途で拡販施策に取り組むほか、のり面などに使う土木資材用途の提案も強める。