産資・不織布 通信 ( 65)

2021年03月29日(Mon曜日)

品質のプライドを持つ トーア紡マテリアル

 トーア紡コーポレーションのインテリア産業資材事業会社であるトーア紡マテリアルは、自動車内装材、産業資材用不織布、カーペット、ポリプロピレン(PP)短繊維など幅広い分野で事業を展開している。新型コロナウイルス禍で環境が変化する中、国内外の設備を生かし、メーカーとして存在感を発揮する商品提案や開発に取り組む。

 自動車内装材は、四日市工場(三重県四日市市)のほか中国子会社の広州東富井特種紡織品が生産を担う。2020年度(12月期)は新型コロナ禍の影響もあって上半期に受注が激減したが、下半期からは回復基調となり、現在は新型コロナ禍前の90%の水準まで回復した。特に広州東富井特種紡織品は下半期だけを見ると前年実績を上回る生産となっている。中国での好調な自動車生産・販売の需要をとらえることに成功した。

 ただ、自動車内装材は中国など海外メーカーとの競争が依然として厳しい。このため現在、国内外の生産設備を再整備し、生産性を高めることで競争力の強化に取り組んでいる。販売先の開拓や、内装材以外の用途開拓にも取り組む。

 一方、カーペットも新型コロナ禍の影響でホテル向けなどロールカーペットの需要が減退した。オフィス向けも在宅勤務普及の影響で更新頻度が下がるなど影響が大きい。ただ、昨年9月以降は供給先であるインテリア製造卸が見本帳を相次いで刷新していることから受注も好調となっている。

 カーペット事業に対して久保徹社長は「効率的な生産に取り組み、品質に対してプライドを持って販売することが重要」と強調する。同社のカーペットは連続染色による多彩な色柄表現が強み。だが近年、カーペットは環境負荷低減の観点から原着化の流れが強まる。

 このため廃水・廃液処理能力の増強などで環境負荷を低減しながら、後染めでなければ表現できない色柄表現に磨きをかける。抗ウイルス加工など後染めを生かした機能加工で新型コロナ禍を契機に生まれた新たなニーズに応えることにも取り組み、連続染色の優位性を発揮することを目指す。再生ナイロンなどの採用も拡大する。

 産業資材用不織布もユニークな商品で強みを発揮してきた。ベッド用ポケットコイル材や土木建築資材が堅調。今後もハイブリッド化などで機能性を高め、商品開発を強化する。

 PP短繊維も不織布向けだけでなく紡績用や機能わたも手掛けるなどで用途開拓を進めている。今後は異形断面やショートカットファイバーなどを活用した開発も進めるなど新たな取り組みを加速させている。