私が見たパリの服事情 (4)

2021年04月02日(Fri曜日)

「生活必需品」に含まれなかった衣料品

 【パリ=龍山千里通信員】3月20日からパリを含む16県を対象に外出制限が実行され、31日には対象がフランス全土に変更された。政府が全国的なロックダウン(都市封鎖)措置に踏み切るのは3度目だ。

 「生活必需品の購入」などやむを得ない理由で移動する場合の外出は条件付きで認められているが、今回話題となったのは「生活必需品の基準」だった。食料品店、薬局、銀行などに花屋、チョコレート屋、靴屋、美容室、書店、レコード店などが店舗営業可能な分野として今回新たに加わった。

 これには「生活必需品とは何か」という疑問が国民の間で湧き上がった。該当しない商店や企業はこの措置に対して、開店許可を求めて猛抗議。店舗営業の権利がない業種には「衣料品」も含まれていた。子供服販売業者は「成長する子供たちの身なりを整え、新生児を迎える準備は人々にとって“必要”なはずだ」と主張。アパレル業界全体の経済的及び社会的な打撃を懸念している。

 大手スーパーなどは食品を販売しながらも、肌着や化粧品など「生活必需品」に該当しない商品については、購入できないように部分的に立ち入り禁止のテープを貼って対応していた。数メートル先に品物があっても買うことができない。オンラインのみでしか購入できない状況は、お年寄りにとっても不便だろうと思う。致しかたない措置だと分かっていてもどこか違和感を拭えないまま、おうち時間は続く。