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クローズアップ/旭化成アドバンス 繊維資材事業部長 石川 智 氏/過去最高の更新に手応え

2021年04月02日(Fri曜日) 午後1時19分

 新型コロナウイルス禍でほとんどの企業が苦戦する中、旭化成アドバンスの繊維資材事業が健闘している。新たにスタートさせたマスクのセット販売、クッション向けの立体編み物「フュージョン」などの販売が好調で、2020年度は過去最高業績を更新できると見通している。石川智繊維資材事業部長に近況を聞いた。

  ――2020年度の業績見通しは。

 既存ビジネスではおおむね前年並みの業績を確保できそうですし、新型コロナ禍に伴う新規ビジネスの上乗せで、20年度は売り上げ、利益共に過去最高を更新できそうです。

  ――新型コロナ禍でプラスになったビジネスは。

 マスク向けに開始した不織布と耳ひもなどのセット販売が一時、絶好調で推移し、現在は多少、落ち着きを取り戻していますが堅調を維持しています。立体編み物「フュージョン」も好調です。特にフィルターにフュージョンを採用した空気清浄機が爆発的に売れているため、フュージョンも絶好調です。「タイベック」使いの防護服も好調で、不織布の入荷後、縫製してすぐ出荷の状態が続いています。耐炎繊維「ラスタン」は東京五輪・パラリンピックに伴う建設ラッシュで好調だったのが新型コロナ禍で一時、苦戦へと転じましたが、その後、持ち直し今も堅調を維持しています。

  ――エアバッグの状況は。

 新型コロナ禍で昨年秋までは低調でしたが、11月ごろから急回復し、エアバッグ用原糸、包材ともデリバリーするのに苦労しています。一方で半導体の不足で減産に入る自動車メーカーが散見されますし、先行きはちょっと不透明です。ベトナムでの縫製事業は順調に立ち上がりました。

  ――21年度の重点課題は。

 自動車関連ビジネスで事業拡大を持続し、成長路線を走り続けることを最優先の課題に位置付けています。マスクや防護服の販売に前年ほどの勢いが感じられませんが、ラスタン、フュージョンなどの拡販に大いに期待しています。

 ラスタンでは、耐炎性能を生かせる新規用途でのスペックインを急いでいます。特許を出す準備も進めています。フュージョンでもCASEを見据えた新規商材向けの開発が進行中です。自動車メーカーやパーツメーカーは自動運転をにらんだクルマの居住空間の快適性向上を実現するための取り組みを強化しています。当社もここに関与するために開発に力を入れています。

  ――21年度、全体の市況をどう見通している。

 上半期は新型コロナ禍の影響が残るでしょうが、下半期から回復へと転じるのでは……。当社の繊維資材事業は既に上向いており、樹脂、化成品、建材も堅調です。