ごえんぼう

2021年04月05日(Mon曜日)

 先輩風を吹かせて新人記者に三つの「メイ文」について語ったことがある。「迷文」は論外、「名文」は文豪に任せておけ、君は「明文」を書けよと▼2022年度からの新しい学習指導要領で高校の「現代文」がなくなり、「論理国語」と「文学国語」が選択科目として新設される。どちらも「国語の知識や技能を身に付ける」のが目標だが、前者は「実社会に必要な」、後者は「生涯にわたる社会生活に必要な」と規定される▼「明文」至上主義は新聞記者の仕事の世界に限った話で、多感な時期の高校生には、「名文」も含めて、幅広い日本語力を習得してほしい。SNSがいくら普及しても意思疎通と相互理解が進むとは限らない。「クソリプ」という言葉はむしろ逆行しているのではと思わせる▼伝達手段が何であれ、表現力と聴読解力が不可欠である。新人に薦めたのは岩淵悦太郎著『悪文』。初版は61年も前。基本は変わらない。