産資・不織布 通信 ( 66)

2021年04月05日(Mon曜日)

小ロット対応も可能   山栄商事

 繊維原料商社の山栄商事(東京都台東区)は1954年の創業(会社創立は68年)。ふとんの中わた用原綿を製綿会社に販売してきたが、2010年前後に不織布用原綿の取り扱いも始めた。不織布用原綿の販売は全体の半分(数量ベース)を占めるようになった。今後も不織布用原綿を軸としながら両輪で成長を図っていく。

 創業当初は綿の扱いが主体だった。50年代半ば頃は「綿中わたの国内市場は年間10万㌧規模」と大きく、同社も勢いに乗って成長を遂げる。羊毛や合繊わたなどにも手を広げた。不織布用原綿の販売にも本格進出し、台湾のプラスチックメーカーである南亜プラスチックの販売代理店を務める。国内合繊メーカーの原綿も販売する。

 不織布分野にはポリエステルステープルを中心に供給し、スパンレースやニードルパンチなどに使われている。用途は自動車や土木資材関連が多い。低融点タイプを主軸に、ファインデシテックスのポリエステルをそろえるが、海外メーカーの原綿を安定して顧客に届けられるのが強みとしている。

 小ロット対応も武器の一つで、それを可能にするのが埼玉県川越市にある自社倉庫の活用だ。倉庫は200~300㌧備蓄でき、そこから自社のトラックを使って顧客に届ける。最小で1ベール(250㌔)から対応する。「北関東は規模の小さい工場が多く、海外原綿を小ロットで手に入れられるのは顧客にとって大きな利点」と強調する。

 今期(21年7月期)の不織布用原綿の販売(数量ベース)は、昨年の4~6月に自動車生産が落ち込んだ影響を受けたが、「(自動車向けは)現在は昨年並みに戻っている」と言う。資材向けはマイナス基調にあるものの、不織布用原綿全体では前期を少し下回る程度で推移していると話す。

 ふとん用中わた原料の販売は昨年並みを確保するなど、堅調な動きを維持している。ポリエステルのコンジュゲートわたが多く、綿や羊毛は少なくなっている。シリコンを施すことで羽毛ライクな質感を付与したポリエステルステープルは枕やクッションなどで用いられている。防ダニや抗菌などの機能品もラインアップしている。

 群馬県太田市の自家工場ではふとんを生産している。コンフォーターミシンやカード機、吹込み機などを設置し、生産能力は月間2千~3千枚。ネット通販企業向けがメインだが、新型コロナ禍による巣ごもり需要もあって昨年の9~12月は順調だった。

 今後はふとん用中わた原料(製品含む)の販売を維持しながら、不織布用原綿の強化を図る。「当社の使命は得意先が使える良い原綿を届けること」とし、常に顧客のニーズをつかんでおく。両事業に加えて、将来のための新事業も創出したいとしている。

(毎週月曜日に掲載)