ごえんぼう

2021年04月08日(Thu曜日)

  目覚めると老人になっていた。そんな夢を思春期に見た。老人に親切ではなかった筆者は、自分も同じように扱われるのではないかと焦る▼「自分とは違い、親切に接してくれたらとてもうれしいのだが」と、虫のいいことを思った瞬間、本当に目が覚めた。あの日以来、老人への接し方が少し変わったように思う▼黒人差別がクローズアップされる米国で、新型コロナウイルス禍をきっかけにアジア系の人々へのヘイトクライムが増えている。差別に敏感なはずの黒人も、アジア人に暴行を加える▼ミャンマーの国民に対する軍の暴行の映像には背筋が凍る。どんな心理状態になれば、無抵抗の人間に対してあんなにも残虐になれるのだろうか▼他者の気持ちを想像しない社会はとても危険だ。目が覚めると、アジア系米国移民、ミャンマーの子供になっていた。そんな夢を、迫害する側の人々に見せることができればいいのだが。