ひと/伊藤忠商事の執行役員に就いた・小関秀一氏
2007年06月12日 (火曜日)
3つのキーワードで展開
4月1日付で執行役員に就き、昨年度までの繊維原料・資材部門とテキスタイル・製品部門を統合再編した新たな部門、「繊維原料・テキスタイル部門」の部門長となった。国内市場が急速に縮小を続けるなかで、原料、テキスタイルなど素材分野のビジネスをリードする重責を担う。
大学で中国語を学び、入社後も中国室のスタッフとして配属され、繊維ビジネスにかかわるとは考えていなかった。ところが、日々の業務にも慣れてきたある日、繊維の営業担当の先輩に「稼いでいるのは俺たち」と言われて、「それなら、俺も営業を」と発奮、願い出て3年目に当時の織物貿易第一部に配属となった。
以来、機能素材の欧米向け輸出や通算14年にわたる駐在で中国、香港の事業を進めてきた。とくに10年ぶり、2度目となった1999年からの上海駐在では、その急激な変貌ぶりと新たなビジネスチャンスに「胸が躍った」と振り返る。
素材分野のビジネスについて厳しい状況なのは十分承知している。それでも「無水染色のインクマックスのように新しいチャンスを生み出せる分野もある。守るだけではジリ貧になる、攻撃も考えたい」と積極展開へ意欲を見せる。ニッチ=人が目をつけていない分野で、ローテク=メーカーに頼らない発想から、ドミナント=圧倒的優位をとる。この3つのキーワードに沿った新たなビジネスの創出で、まだまだ素材分野に可能性があると見る。
好きな言葉は「夢と忍耐」。どんな状況でも夢=自分のやりたいことをあきらめず追求することが大切と自分自身にも言い聞かす。忍耐はそのために必要なもの。山形県出身で我慢強さ、粘り強さには自信がある。
休日は映画やテレビドラマでリフレッシュする。流行のアクション大作よりも人間ドラマの“佳作”に涙するロマンチストだが、一方で月曜夜9時の話題のドラマ「プロポーズ大作戦」も毎週、録画して欠かさずチェックするミーハーな一面も持つ。
こせき・しゅういち
1979年伊藤忠商事入社、2002年伊藤忠繊維〈上海〉総経理、04年伊藤忠繊維貿易〈中国〉総経理、05年テキスタイル・製品第一部長、07年4月から現職。51歳。