「ジャパン・ヤーン・フェア」会場から

2008年02月07日 (木曜日)

日本毛織/“高感度・高品質”

 日本毛織は“高感度・高品質”をテーマに、エクストラファインウールに加え、カシミヤ、アンゴラなど獣毛使いを充実させた。また、カラーストック展開する紡毛糸も重点提案する。

 同社は、ウール素材ではスーパー160の梳毛糸のほか、カシミヤ100%の梳毛糸と紡毛糸を提案したほか、ウールとシルク、カシミヤ、アンゴラ、モヘアなどとの混紡糸もそろえる。また「ニッケといえば、どうしても梳毛織糸のイメージがあるので、改めて紡毛糸を充実させた」(西野正弘販売部企画チーフ主席)として、カラーストック展開する紡毛糸を提案する。12~18番手(毛番手)で約50色をそろえる。

KBツヅキ/原料ストックでQR

 KBツヅキは、綿・シルク混、綿・カシミヤ混、モダール・ソロテックス混などの混紡糸を重点提案する。いずれも原料ストックによるQR体制が持ち味だ。

 シルク混紡糸は、シルク高混率にすることで素材のグレードをアップさせた。原料のシルクをストックしていることから、混率などは顧客の要望に合わせたカスタム対応ができる。同じくカシミヤ混紡糸もカシミヤを7種類ストックすることでQR対応が可能だ。また、ソロテックスとモダールの混紡糸は、生地にした際のカシミヤライクな独特の風合いが魅力。「すでに大手ブランドが採用している」(第二営業本部の服部敏樹営業部第二営業グループ長)という。このほか、昨年、糸商の関信からミシン糸の営業権を譲渡されたことを受け、今回展ではミシン糸も出展した。

モリリン/ストックサービスに強み

 モリリンは、モダールトップ糸「ボヘミアン」、新疆綿トップ糸「トルファンロード」、キュプラ紡績糸「セルシリーズ」、ジアセテート先染め糸「ドロシー」、新型ビスコース「プロビスコース」を提案する。いずれも豊富な色種をストック販売する点が強みだ。

 ボヘミアンとトルファンロードは、それぞれ30~60単を10色から24色でストック販売するのが特徴でユーザーからの評価も高い。またセルシリーズは、旭化成せんいとの取り組みでベンベルグスパンをモダール混やウール混、トリアセテートと精紡交撚などで複合した素材だ。また、レンチングの新型ビスコースを使った「プロビスコース」は染め反でのストック販売を行う。レギュラービスコースと比較して、強力があり、ハリコシ感に富むのが特徴だ。いずれの素材も、商社ならではのストック機能をアピールする。

田幸/オンリーワン商材を提案

 田幸は、独自の特殊紡績機を活用した「リリースパン」、極細番手タムタムヤーン「センス53」が注目を集める。

 リリースパンは、通常の糸加工工程を経ずに、わたから直接リリーヤーンを紡績する。柔らかさと軽さが特徴だ。またセンス53は、53番手の極細タムタムヤーン。モヘアとナイロンを使い、他者に例のない細さと軽さを実現する。このほか、グラフト重合を活用したナイロンを使ったストレッチファンシーヤーン「MOFF」も提案する。消臭機能付で、機能を持ったファンシーヤーンだ。

豊島/オーガビッツ質問相次ぐ

 豊島はオーガニック素材「オーガビッツ」を前面に打ち出した。3部、2部、10部、1部、12部、浜松支店などが連携してわた、糸、テキスタイル、製品を多様に提案した。

 このうち、ダイワボウノイの生地「ミルククラウン」の人気が高かった。このほかオーガニック×テンセル、オーガニック×再生ポリエステルなども来場者から評価され、来シーズン用素材でピックアップされそうだという。

 豊島は「環境」「自然」などをキーワードに、ビジュアルな形でテキスタイルや製品提案を強める考え。播州産地の丸萬商店の丸山恒生社長は、オーガビッツのトレーサビリティーに強い関心を示していた。

レンチング視察に来訪

 レンチングファイバーズの太平洋アジアマーケティングディレクター、トーマス・ガイドシック氏が7日、JY視察のため同会場を訪れる。出展企業である豊島、新内外綿、モリリンの各社と懇談する予定。