村田機械の渦流精紡機/輸出、好調を持続/上海にショールームも

2011年03月24日 (木曜日)

 村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」の輸出が好調を持続している。5月には、中国の上海世貿易商城(上海マート)に同社初のボルテックス常設ショールームを設け、一段の拡販を図る。

 ボルテックス生産は昨年前半、生産能力(月間30台)一杯の稼動が続いた。後半は落ちるとみられていたが、今年3月まで20~25台の月産規模を維持。4~9月も25台で推移する見込みだ。

 旺盛な需要の背景には、柔らかさが適度で、かつ抗ピリング性が高いレーヨン紡績糸の生産にボルテックスが適するとの評価が広がっていることがある。このため、中国、インドネシア、ベトナム、インド、トルコなどからの引き合いが活発だ。

 販売実績がなかったバングラデシュでも、有力企業1社が導入。その効果で同国の同業他社からの引き合いも増え始めた。パキスタンでも有力企業1社が導入を決めたため、同国からの引き合いも増えると同社は見込んでいる。

 販売実績がある国に向けては、一段の需要拡大を図るために、ユーザーの顧客であるアパレル・メーカーにボルテックス製品の魅力をアピールすることで、ボルテックスの導入機運を高めようとしている。「インターテキスタイル上海」(中国)や「テックスワールド」(フランス)、「エクスポフィル」(同)などの展示会に出展しているのも、中国の上海マートに常設ショールームを設けるのも、その一環だ。