インテキ上海閉幕/機能素材など注目集める

2011年10月24日 (月曜日)

【上海支局】アパレルテキスタイル展「第17回インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」が21日、4日間の会期を終え閉幕した。中国アパレル中心とした来場者の関心は機能素材や環境対応、表面感のある商品に集まったようだ。

 NI帝人商事は日本製のメンズ向けアウター素材に絞り出展。合繊中心に複合商品から天然繊維までそろえた。中国市場向けに開発した表面に変化のあるダウン素材なども紹介。松本好勝テキスタイル貿易部第1課長は「中国アパレル向けのレディース用途は伸びている。メンズの販売も本格化したい」考えだ。

 チクマは日本製のニットやジャージを紹介。前回展よりもブースを1小間広げ、製品での提案を増やした。チクマインターナショナルの神田悟副総経理は「意匠力のあるウール素材などが好評だ」という。

 上海中外国島は絞りや二重織、ガーゼなど表面感のある素材を中国製メーンにそろえ、好評だった。さらに、山本公一副総経理は「ウールを中心にしながらも綿や麻混など素材バリエーションの豊富さも評価してくれている」と話す。昨年よりも日本からの来場者が減ったものの、欧米や中国の客が増え、全体でも前回より来場者が多いという。

 双日繊維〈上海〉の遠藤雅也総経理は「自社の商品に加え、今回からグループ企業の商品もアピールしたい」と説明する。合弁企業の青島即発龍山染織の素材や寝装向けの機能素材に加え、今回から第一紡績のニット素材や双日新潮服装の製品もそろえた。

 カネカは「ラストラス」ファーを紹介。特殊な加工で、毛の抜けを抑えたファーで、加工設備を含めて提案している。加藤哲也カネカロン事業部営業第一グループリーダーは「毛の抜けは消費者からのクレームにもなりやすいため、来場者の関心も高い」とみる。

 ガンノカンパニーは蓄熱、保温など機能性の生地が人気を得た。さらに、高級ゾーンに向けては海島綿など糸を日本から輸入した生地も提案した。

 瀧定名古屋はメンズやレディースの生地に加え、製品も提案。コストパフォーマンスの高い生産ルートなどを武器に中国アパレル向けに製品を紹介した。昨年展の出展により製品のビジネスも始まっているという。

 神戸レザークロスはマイクロファイバーによる人工皮革を紹介。従来は靴用途中心だったが、アパレル用途にも広げていく考えだ。さらに、風合いが硬くならない防汚加工を提案。洗濯耐久性も50回以上あるという。

 森菊はオーガニックコットンや再生セルロース繊維「リヨセル」を地球環境に優しい生地として打ち出した。永谷一成テキスタイル第一部第1課課長は「オーガニックのボーダー柄の人気が高い」と話す。

 ヤギの子会社、八木〈香港〉は「リサイカラー」を紹介。リサイカラーはカットロスの生地を色ごとに糸に戻し、再利用したもの。従来の生地を使うよりもCO2の排出を33%、水の利用を23%減らすことができるという。青山泰治マネージャーは「トレーサビリティーなどが確立されているため、反応も良い」と手応えを感じている。

 新道良質〈上海〉貿易は世界市場で活躍する「SIC」ブランドに加え、中国製品を紹介。中国製では新商品や、未発売の商品もそろえた。中国製の定番商品も充実させていく。

 ミツボシコーポレーションは吸湿発熱や抗菌など機能性のある資材を紹介。井手一夫専務服飾資材事業本部長は「品質だけでなく、機能への関心が高まっている」と指摘する。

 村田機械は昨年に続き、渦流精紡機「ボルテックス」によるボルテックス糸をアピール。生地などをそろえ、来場者に同展に出展するユーザーのブースも紹介した。