村田機械「ボルテックス」/昨年の中国販売200台/省力化ニーズで需要拡大

2013年02月18日 (月曜日)

 【上海支局】村田機械の渦流精紡機「ボルテックス」への需要が中国で拡大している。村田機械〈上海〉によると、2012年の販売規模は「200台に達した」(野野口学繊維機械営業部経理)。

 同社がボルテックスを中国で本格的に販売し始めたのは09年。ニット用レーヨン紡績糸を生産するために主に浙江省の企業が導入し、同年の販売規模は一気に170台に達した。10年に130台へ減ったが、この頃からポリエステル・レーヨン混の織り糸生産用としての需要が江蘇省を中心に増加。11年の販売は170台に回復した。

 12年に入ると江蘇省呉江市で、紡績を兼営しようとする織布企業が相次ぎ、その結果ボルテックスの販売規模は200台に達した。必要なオペレーター数がリング精紡機の「5分の1で済む」(野野口経理)ことなどが評価されたと同社は分析している。中国では、人件費の上昇が続いているため、ボルテックスの販売は今年も呉江市中心に好調に推移すると同社はみている。福建省での拡販も期待できるという。

 同社は昨年6月に上海で開催された「ITMAアジア+CITME2012」で、ボルテックスの新タイプとして「Ⅲ870」を発表した。同機を用いれば綿100%糸やポリエステル100%糸を、ドラフト部の調整などをせずに安定した品質で生産することが可能だ。村田機械〈上海〉が販売するボルテックスは昨年9月以降、すべてこのタイプに切り替わっている。