内販へ差別化/“Jテキスタイル”レビュー(上)差別化素材などが人気に

2013年04月23日 (火曜日)

 4月17~19日、上海世貿商城(上海マート)で開かれた展示会合同の「2013〈春季〉上海紡織服装展覧会」(STa)が開かれた。「第3回日中韓テキスタイル展」の日本コーナー“Jテキスタイル”には日本企業やその現地法人など23社を含む、26社が参加した。(上海支局)

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 「ブランド・アパレル展」含めSTa全体での来場者は3日間で延べ9932人となった。Jテキスタイルでは差別化素材などが好評だった。

 入り口付近に現地企業とともにブースを構えたケイテックス(大阪市中央区)は、知名度向上を狙い初参加した。中国製で糸から開発した生地を紹介。一部商品は生機で備蓄もしている。中尾和主社長は「ストレッチ性の高い生地やニットのような織物が好評だった」と手応えを感じている。

 ルシアンの子会社で刺繍レース製造・販売の浙江嘉興露香紡織は14春夏向けの新作レースをそろえた。さらに今回から北陸や桐生、米沢産地の意匠性の高い生地も用意し、人気だった。川崎治営業部長は「これを機会に日本の産地との取り組みを強めたい」との考えだ。

 クラレグループの可楽麗貿易〈上海〉は今回が初出展。クラレの機能性繊維を使ったテキスタイルや製品を紹介した。上野裕樹副総経理は接触冷感素材の『ソフィスタ』や水溶性長繊維『ミントバール』が好評だった」と話す。

 隣にブースを構えた可楽麗魔術粘扣〈上海〉は面ファスナーを紹介。中国向けには産業資材用途が多いものの、クラレファスニングの小川史郎営業本部販売部大阪販売課課長は「アパレル向けにも付加価値の高いものを訴求したい」との考え。成型面ファスナーやフックとループが同じ面にある「フリーマジック」、環境に優しい「エコマジック」を紹介した。

 村田機械は昨年に続き、渦流精紡機「ボルテックス」による糸を使った生地や製品をアピールした。「川下からの需要を喚起する」(営業部第1チームの岡村敏治氏)ためで、来場者にはボルテックスのユーザー企業を紹介した。

 大津毛織グループの上海龍和大津工貿はタスマニアラムの生地が高い評価を得た。小林尚樹総経理は「タスマニアラムは当社のみが扱う素材で、風合いの良さから人気だった」と説明する。