インターテキスタイル上海会場から/日系出展企業/活発な商談繰り広げる

2013年10月24日 (木曜日)

 【上海支局】世界最大規模のアパレルテキスタイル展「インターテキスタイル上海アパレルファブリックス」がきょう24日まで、上海新国際博覧センターで開かれている。来場者が増えたという日系出展企業も多く、活発な商談が繰り広げられている。

<東レ/実商談を重視>

 ジャパン・パビリオンに出展した東レは婦人服地やスポーツ素材、人工皮革を紹介した。「3年目で実利を取る」(藤田泰史新流通開拓室主任部員)と商談重視の姿勢で臨む。

 W2号館入口近くに昨年の1・5倍の大きさのブースを構えた。ブース入口で名刺を出して入場する仕組みだが、それでも多くの人が来場し、過去最高の集客になる可能性があるという。来場者の増加に合わせ、サンプルの要望も比例して増えている。

<小松精練/「モナリザ」に関心>

 小松精練は、デジタルプリントファブリック「モナリザ」などが人気を博しているという。

 同社は、パリ「プルミエール・ヴィジョン」に出展し、高い評価を得た新素材「ルガーノ・ウォーター」や、昨年の上海展のコンペティションアワードで“ベスト・ウィーブ・デザイン”賞を受賞したモナリザの新バージョンを含む約600点を出展している。

 同社によると昨年展の受賞効果もあり、モナリザがとくに人気で、展示製品の前には常に人だかりができる状態という。今回は前回以上に製品の展示点数を増やしたことで、「欧州市場での人気素材をバイヤーに分かりやすい形で紹介できている」としている。

 初日21日の来場者は120社、サンプル依頼点数は1725点だった。

<宇仁繊維/円安で日本製に競争力>

 宇仁繊維は日本製生地の小ロット短納期に対応した備蓄販売体制を訴求する。ジャカードやフロッキープリントの生地が好評で、レースも引き続き人気だという。宇仁龍一社長は「円安により日本の生地にも競争力が出てきた」とみる。

 同社は今年、上海に続き北京にも現地法人を設立した。北京現地法人は好調なスタートを切った。備蓄販売による小ロット短納期へのニーズが中国でも高まってきていると語る。

<燦日泉〈上海〉貿易/備蓄販売機能訴求>

 サンウェルの現地法人、燦日泉〈上海〉貿易は昨年までの3小間から今年は4小間へブースを拡大した。小ロット対応など備蓄販売の機能を目立つように訴求し、多くの人が訪れている。

 川端博士副総経理は「昨年の倍ぐらい来場している。件数が増えればチャンスも増える」と期待する。ドビーやジャカードなど意匠性の高い生地が人気を集めたという。

<寧波宜陽賓覇紡織品/「ベンベルグ」裏地提案>

 旭化成せんいグループの寧波宜陽賓覇紡織品はキュプラ繊維「ベンベルグ」の裏地を提案している。これまで無地だけで備蓄販売してきたが、今回はドビーやジャカードの柄物の生機でのストック体制も訴求する。

 木下昭暁ベンベルグ事業部ライニング営業部海外担当課長は「製品の販売数量が伸びないなかで、個性化、差別化のため、柄物への需要が高まっている」と説明する。

 また婦人向けには値段などの問題もあり、毛皮アパレル用途に特化して提案している。

<村田機械/「ボルテックス」訴求>

 村田機械は渦流精紡機「ボルテックス」による糸や生地を紹介している。また、インターテキスタイル上海に出展しているユーザー企業30社も紹介している。

 ジャパン・パビリオンのトレンドコーナーの近くにブースを構え、同コーナーから流れてくる来場者も多く、ボルテックス渦流紡製品開発マネジメント兼務営業部第1チームの岡村敏治氏は「昨年よりも来場者が多い」と話す。