トンボ/MD、販売本部を設置/より顧客に応える体制へ

2015年06月29日 (月曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は今月、マーチャンダイジング(MD)や都市部での販売強化のため、組織を再編し、「MD本部」「販売本部」を設置した。近藤知之社長は少子化で市場が縮小するなか、「顧客の要求、要望に応えられる体制にする」と、組織再編の狙いを話す。

 今入学商戦で、学生服のモデルチェンジ(MC)校の獲得が全体の4割近くあり、喪失校の分を相殺したうえでも、生徒数は前年より約8000人増えた。しかし、制服を供給する既存校だけを見ると、少子化による生徒数の減少の影響が出てきており、「市場の背景が変わってきた」(近藤社長)ことから、組織の再編に至った。

 これまであった学生服の「スクール事業本部」、体育衣料の「スポーツ事業本部」を統合し、新たに販売本部を設置。学生服とスポーツ衣料双方の営業を兼ねる担当を増やすことで、生徒数の多い学校が集まる東京、大阪、名古屋などへ配置し、競合が激しい大都市部での営業を一段と強化する。

 「事業開発本部」は「事業開発推進部」だけ残し、「商品開発部」を新設のMD本部に移転。老犬の歩行補助ハーネス「ララウォーク」など、新規事業の展開や商品開発に特化させる。

 MD本部は新ブランド・新商品開発を担う商品開発部のほかに、スクール事業本部や、スポーツ事業本部それぞれにあった「スクール商品部」「スポーツ商品部」を配置し、スクールウエアや体育着など既存商品に対する商品戦略などを担わせる。全国の支店や販社との意思統一を図り、本社が掲げる方針や方策を、MD本部を通じて徹底させることにより、顧客の要求や要望などを「反映した商品やサービスの提供を強化する」(近藤社長)と言う。