トンボ/倉吉の人員と生産増強/美咲に昇華プリント設備

2015年09月10日 (木曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は、ブレザー生産のトンボ倉吉工房(鳥取県倉吉市)の従業員を40人から一気に50人に増やし、生産量を倍増する。スクールスポーツ衣料生産の美咲工場(岡山県美咲町)には昇華プリントの設備を導入し、原反のCAMによる裁断からプリント、縫製までの一貫生産ができる体制を整える。

 近藤知之社長は「国内生産のキャパをしっかり確保する」と述べ、協力工場との連携強化も進める。

 トンボ倉吉工房は従業員30人で昨年7月から稼働、ブレザーを中心に生産する。今年は40人体制(来年入社する新卒生3人を含む)をとっていた。ところが、グンゼの100%子会社でランジェリーファンデーション製造の倉吉グンゼ(倉吉市)が8月に工場の操業を停止し、11月に閉鎖することになった。これに対応して一部の従業員を受け入れ50人体制とし、生産量を昨年の8000点から今年は倍増の1万5000~1万6000点を計画、来年は2万点以上を目指す。

 美咲工場へは、発色性が優れ、高いデザイン性から需要が高まる昇華プリントの設備を11月ごろまでに導入する。これまで協力工場で生産していたが、自社で設備を持つことで、新しい商品開発や生産量の拡大につなげる。

 国内工場の生産キャパシティーを確保していくために、協力工場とは連携を強化し、情報の共有化を進める。

 海外の研修生は、中国人からベトナム人に切り替える。将来的には、中国と同じように研修生がベトナムからも来なくなる可能性を踏まえ、一部の工場ではカンボジアの研修生を受け入れる。