トンボ・スクールスポーツ/6月期は増収で推移/技術生かし新しい価値提供へ

2016年08月04日 (木曜日)

 トンボ(岡山市)のスクールスポーツ事業は2016年6月期、「ヨネックス」や自社ブランド「ビクトリー」の販売が堅調に進んだことで前期比増収になりそうだ。来入学商戦に向けては、ウオームアップウエアとしての「ピステスタイル」に着目した「ピストレ」と、昇華転写プリントの「両方の技術を生かして新しい価値を提供する」(橋本俊吾MD本部スポーツMD部長)ことで新たな市場を広げる。

 前期は主力の「ヨネックス」の新規採用が100校あり、累計で700校強にまで増加。ベンチレーションなど機能性だけでなくデザイン性を高めるため「昇華転写プリントによってディテールの表現ができる」(橋本部長)ことが好評。別注対応についてもこれまでの単純なプリントによるマークだけでなく、さまざまな柄を表現できることで他校との差別化がしやすいことから引き合いが増えてきた。

 スクールスポーツ衣料生産の美咲工場(岡山県美咲町)に昨年11月、昇華転写プリントの設備を導入。自社で設備を持つことで、新しい商品開発や生産拡大につなげている。

 今期は商品開発部をスクールMD部、スポーツMD部の中に組み込み、商品開発とデリバリーでのリードタイムを短縮し、MDをより強化。来入学商戦に向け、ヨネックスでは100校強の新規採用校の獲得を目標にする。

 ビクトリーで、ウオームアップウエアとしての「ピステスタイル」に着目し、新たな概念のウエア「ピストレ」を広げる。これまでにないニット素材を採用し、通気性があるにもかかわらず防風性能が高く、ジャージーに比べても相当軽い。昇華転写プリントとの組み合わせで、これまでにない商品で市場を掘り起こす。

 アスリートを招き講演と実技指導を無料で行う「ビクトリースポーツ教室」のほか、野球の基本であるキャッチボールを通じて子供たちの心と体の成長を応援する「キャッチボールクラシック」(日本プロ野球選手会主催)に協賛。さまざまなスポーツへの支援を通じて、ブランドの認知向上にも取り組む。