トンボ/新中計「アクション300」策定/四つの方針で目標達成へ

2016年09月14日 (水曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は、今期(2016年7月~)スタートした3カ年の中期経営計画「アクション300」につき、最終年度の19年6月期に売上高300億円を計画に掲げている。近藤知之社長は、四つの基本方針を基に、「顧客にとってのファーストコールカンパニーを実現していきたい」と述べる。

 売上高300億円の目標達成に向けた4基本方針として「事業戦略の強化・創造」「組織体制の進化」「経営基盤の強化」「環境CSRの推進」を掲げる。

 事業戦略の強化・創造では、米国東海岸発祥のトラッドファッションを基調に、女子学生に人気の「イーストボーイ」を学校別注用途に初年度10校の採用を目指す。スクールスポーツの自社ブランド「ビクトリー」のロゴを刷新、ウオームアップウエアとして新たに「ピストレ」を導入するなど、新商品の開発を積極的に進める。

 20年の東京五輪に向けてスポーツに対する興味や関心が一段と高まることから、7月に東京で元トップアスリートを招いた特別企画「ビクトリースポーツフォーラム2016」を開くなど、今後の市場開拓につながる動きを強める。

 「組織体制の進化」は、7月からMD(マーチャンダイジング)機能を強化するため、MD本部にあった商品開発部の機能を同じMD本部にあるスクール、スポーツのそれぞれの部署に配置し、「スクールMD部」「スポーツMD部」とした。さらにMD本部には新商品を発売する前に、縫製やパターン、着用試験などによって検証する「製品開発研究室」を新設。工場とも連動しながら、品質の向上を図り「アパレルとしての機能を高める」(近藤社長)。

 経営基盤の強化では新しい会計システムの導入で、業務の簡素化や決算の早期化を推進。新入社員の採用にも力を入れ、専門的な知識を習得した専門学校生から採用も拡大する。環境CSRでは以前からのトンボの森作りなどの活動に加え、残業の低減など働きやすい職場環境の実現などにも取り組む。

 トンボは16年6月期の決算が前期比増収増益となり、過去最高の売上高、経常利益になる見通し。昨年から展開してきた「トンボ140thアニバーサリーマーチャンダイジング(140AMD)」プロジェクトを引き続き進めながら、目標達成に向けた動きを加速する。