トンボ/前年並みのMC校獲得/3月単月は過去最高売上高

2017年04月11日 (火曜日)

 学生服製造大手のトンボ(岡山市)は今入学商戦、前年並みにモデルチェンジ(MC)校を確保し、3月単月の売上高は前年に引き続き過去最高だった。2019年6月期に売上高300億円を目標に掲げる3カ年の中期経営計画「アクション300」の達成に向けて、近藤知之社長は「全力を尽くしていきたい」と話す。

 今入学商戦、学生服はスクランブル(短納期対応の追加サイズの発注)が例年より少なく、3月後半に集中したものの、前年並みにMC校も確保し、4月には完全に納品できた。スクールスポーツは他社の事業縮小もあり、200校以上の新規校を獲得。うち半分は「ヨネックス」ブランドだった。ヘルスケアもコンフォートウエアを中心に販売を拡大した。

 2016年7月~17年3月の3四半期では、3事業とも増収を確保しており、全体でも増収を確保。ただ、スクールスポーツの増産で、協力工場の拡大や、自社工場の生産効率ダウンなどで利益面は前年並みだった。

 来入学商戦に向けては、新ブランド「イーストボーイ」が大型物件を含め、数校に決まりつつある。イーストボーイは女子向けのブランドだが、男子向け詰め襟服や女子向けのセーラー服など、これまで一般の店頭市場でカジュアル制服をけん引してきたイーストボーイにないアイテムも提案。「正統なトラッドファッションのデザイン性を崩さず、おしゃれな制服を供給する」(近藤社長)

 スクールスポーツは昇華転写プリントのマーチングウエアが数十校決まるなど、昇華転写プリントに対するニーズが増加。一部企業の事業縮小もあって「来期が一番の勝負の年になる」との見方から、ウオームアップウエアとしての「ピステスタイル」に着目した「ピストレ」や、昇華転写プリントの商品など新しいアイテムを広げる。

 通期(17年6月期)では期初に想定していた売上高には届かないものの、増収を確保できる見通し。自己資本比率は現状63%だが、近藤社長は「さらに高め、ゆるぎない経営基盤にしていく」と述べる。