豊島/捨てず新たな価値を/商品下げ札に工夫

2017年05月09日 (火曜日)

 全ての商品にはタグが付いている。ブランドタグのほか、素材の訴求を目的に情報を掲載したオリジナルタグが企画されることも多いが、購入後は取り外して捨てられるケースがほとんど。豊島はそんな下げ札に新しい価値を加える工夫を進めている。

 取り組みの一つがシードペーパータグ。花の種を埋め込んだブランドタグで、これを一晩、水に浸した後に手頃な鉢に移して土をかぶせると5~10日後に発芽する。複数の種が植え込んであり、育つと寄せ植え鉢に仕上がるというものだ。

 豊島は副資材メーカーとの取り組みで、紙ごみの再利用という価値を訴求して国内アパレルブランドに提案しており、5月から店頭に並ぶ商品に採用されたほか、今秋冬でも複数のブランドからの引き合いも集めているという。

 オーガニック綿の普及をブランド展開「オーガビッツ」ではこのほど「しゃべるタグ」を開始した。QRコードを印刷した下げ札をスマートフォンなどで読み取り、アクセスしたウェブサイトに下げ札を配置すると、オーガビッツの取り組み内容が音声付き動画で紹介される。店頭販売員が来店客に分かりやすく伝えることができる販促ツールとしての有用性も期待する。

 オーガビッツが支援する社会貢献活動プロジェクトを下げ札で発信するほか、今後は内容の更新や他の社会貢献プロジェクトを加える。顧客ブランドのオリジナル動画の取り組みも視野に入れるなど発展的な展開も検討する。