特集スクールユニフォーム(3)/データで見るスクールユニフォーム市場②/親・子世代でギャップも/「学生服に関する意識調査」実施/トンボ

2017年05月26日 (金曜日)

 トンボ(岡山市)は、学生服ブランドの活動の一環として、高校生とその母親との千組を対象にインターネット調査(期間は今年1月30日~2月2日)で「学生服に関する意識調査」を実施した。親世代と子供世代の「制服に関する意識」をより深く解明するため、「着用している制服のタイプ」「制服に対するイメージ」「制服の満足度」「制服が及ぼす影響」など、さまざまな角度から、制服に関する親・子供世代の意識を調査結果としてまとめた。

〈制服は時代を映す鏡?/セーラー服が減少傾向〉

 着用している(していた)制服の種類を親子で比較すると、「ブレザー」が、母親世代(65・5%)、子供世代(64・2%)となり両世代とも「ブレザー」の着用割合が最も高い結果だった。中でも、子供世代の公立高校女子では「ブレザー」が80・2%と、母親世代を比較してみても、ブレザーの比率が大きく増加(14・7%増)し、「セーラー服」が減少(14・6%減少)するなど、時代の変化を感じさせる結果となった。

 男子では、公立高校での「学ラン」着用が半数近くに上ったが、私立高校では「ブレザー」着用が6割を超えた。1980年代以降、“制服モデルチェンジブーム”で、ブレザータイプが人気となり、ブレザーの着用率は高まる傾向にあるようだ。

〈セーラー服派の親世代/ブレザー派の子供世代〉

 親世代と子供(女子)世代で、着用している制服タイプ別の満足度を比べてみると、親世代では「ブレザー服」よりも「セーラー服」への満足度が高く、「気に入っていた(15・6%)」「まぁ気に入っていた(43・5%)」を合計すると6割近くに上った。一方で、子供世代では、「セーラー服」の満足度が、55%であったのに対し、「ブレザー服」への満足度は7割を超え、親世代は「ブレザー服よりセーラー服の制服に満足」し、子供世代は「セーラー服より、ブレザー服に満足」していることが分かった。

 以前と比べ、ブレザータイプでは、デザイン性の向上、リボンやネクタイなどの小物が充実していることが満足度に影響しているとみられる。

〈制服にふさわしいデザイン/親・子とも共通認識〉

 10種類の中から、最もふさわしいと思う制服を、両世代(各千人)が選んで投票した結果、意外にも親世代・子供世代ともにベスト3が同じ制服。ベスト4以下でも違いは見られず、「制服に対するイメージ」では両世代で違いがあるが、「ふさわしいと思う制服」では同じ制服を選び、トラディショナルなものを選ぶ際には親・子供世代ともに違いがないことが分かった。

〈制服に対するイメージ/親子でギャップ〉

 親世代が選んだ制服に対するイメージでは、「清楚」が2位を大きく切り離して1位に。次いで2位に「朝の準備が楽」、3位に「青春」がランクインした。子供世代が選んだ制服に対するイメージでは「かわいい」が1位に。僅差で2位に「統一感」、3位に「朝の準備が楽」がランクイン。各世代で「清楚」「可愛い」と、制服イメージが分かれる結果だった。時代を代表するアイドルと制服の関係が、制服イメージに与える影響が大きいようだ。

 一方で「朝の準備が楽」は、親子ともに3位内にランクインし、「制服」の利便性に対するイメージが両世代共通であることが分かった。親世代では「知的」「日本の文化」、子供世代では「伝統」など、それぞれの世代で文化的イメージが見受けられた。

〈制服に対する満足度/親よりも子世代の方が高く〉

 「着用している(していた)制服を気に入っていたか」を比較すると、親世代では「気に入っていた」は9・3%、「まぁ気に入っていた」(32・5%)を合計すると41・8%でした。子供世代では、「気に入っている」は19・3%、「気に入っている」(44・2%)を合計すると63・5%という結果で、子供世代の方が制服に満足している結果となった。

 学校種類別で見ると、私立高校(女子)は「気に入っている」の割合は75・7%と全体平均の63・5%よりも12・2¥文字(G0-AC9E)も高い結果となった。

 さらに高校進学時における制服の影響について、親(母親)世代は「影響した」が3・3%、「少し影響した」(9・7%)を合計すると13・0%。子供世代(男子)では6・4%と、進路への大きな影響は見られなかったが、子供世代(女子)では28・7%と、母親世代の2倍以上の影響が表れた。